小象は年齢不詳だけれど、彼がこの世に生まれてきたのは、フォークソング全盛期を少し過ぎた頃らしい。
「物心ついたのは吉田拓郎さんブームが終わった頃で、最初に好きになったのはかぐや姫とか、あのへんです。それから中島みゆき、さだまさし、紙風船、風、ダカーポもいましたね、ばんばひろふみ、あと、アリス。中でも好きだったのは風、伊勢正三さんです。メロディアスな曲調で、ふわっとしてて、歌詞がちょっと変わってて」
 ちなみに伊勢正三はかぐや姫のメンバーで、解散後に風を結成。『なごり雪』『22才の別れ』などを作ったフォーク界のレジェンドだ。小象という名前は、伊勢正三の名前からつけた、ショウゾウなのだ。
身につけているこのコスチュームも、実は伊勢正三へのオマージュ。シャツやデニム、赤いベストは古着屋さんで買い集め、ウィッグやサンバイザーは100円ショップで入手。ギターはヤフオクで、2800円でゲットしたとか。
「一度、南こうせつさんが北海道でやったフォーク・ジャンボリーというのに出演させていただいたことがあるんです、前座として。そのとき南さんにご挨拶に行ったら、そこになんと伊勢正三さんがいたんですよ! 伊勢さんにもご挨拶したら僕を見て、『君、それはヒッピーだね』って(笑)。あなたの真似ですとは、とてもじゃないけど言えなかったです」
 もともと歌うのは大好きで、20代半ば、バイトでギターの弾き語りをやっていたことがあるとか。
「夕方5時から11時くらいまで新宿で、時給900円でした。70年代フォークを主に歌ってました。だから、好きなんですね、歌うの。でもなんだかんだで歌わなくなっちゃって、なのに火種はどこかに残っていた。40過ぎて、50近くなって、もうやってもいいだろう、誰も文句言わないだろーって気になって、また歌うようになったんです」

  • 出演 : フォークシンガー小象  ふぉーくしんがーしょうぞう

    フォーク歌手  2000年より小林顕作(現・宇宙レコード)とフォークデュオ「羊(ひつじ)」を結成。その後ソロ活動を開始。BSフジ「宝島の地図」の〝小象さんの歌のコーナー〟でオリジナル曲を発表。その後ライブ活動を開始。アルバム『for LOVE,for SELF,for LIFE』を発表した。 現在、東京・ 浅草Zinc や世田谷区 経堂 さばのゆ などで不定期ライブ活動中。 
    オフィシャルウェブサイト  http://folksingersyozo.wixsite.com/heibonrecord

    撮影協力『JAZZ&BAR-Zinc-ASAKUSA』  http://music.geocities.jp/zinc_asakusa/

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/