さて、これからの目標は? たずねると、シンプルな返事が戻ってきた。

「とにかく有名になりたいです!」

 目立ちたい、というわけではない。

「有名になることによって、ハープの魅力が認識されれば、そしてハープを始めたいなと思う人が増えてくれれば、私だけではなく、ハープ業界全体が潤うことになると思うんです。出る杭は打たれる、のかもしれないけど、多少叩かれたところで、いいんじゃないかと。私の長所は凹まないこと、そして決めたらすぐに行動することなんです。やらないより、とりあえずやってみる。頑張っていればなんとかなると思っているんですよ」

 ピアノやバイオリン、声楽など、クラシック畑からタレント性のある美女たちは何人も登場しているけれど、確かにハープ奏者は数少ない。今後、平尾祐紀子がその第一人者になる、のかもしれない。
 CDデビューをきっかけに、昨年から実家のある金沢を離れ、東京暮らしが始まった。今後はライブの数を増やして、どんどん演奏していきたいという。

「うまい演奏を聴いていただくのではなく、楽しいコンサートを目指します。ほっとくつろぎながら、私のハープとトークを楽しんでいただきたい。このYEOをごらんになった方もチャンスがあったら是非、聴きに来て下さい!」

  • 出演:平尾祐紀子(ひらお ゆきこ)

    金沢市出身。愛知県立芸術大学音楽学部ハープ専攻を経て、同大学音楽研究科修士課程修了。オランダ、マーストリヒト音楽院修士課程修了。第8回北陸新人登竜門コンサートにて、オーケストラ・アンサンブル金沢と共演。国内のコンクールにも多数入賞。帰国後、金沢と名古屋でリサイタルを開催。さまざまなオーケストラとソリストとして共演する一方、ソロや室内楽、オーケストラ客演、現代作品の初演、後進の指導など幅広く活躍している。2016年11月アルバム『華音』をリリースした。

    デビューアルバム『華音 KANON』

    グランドハープとサウルハープ、2種類のハープで演奏した16曲を収録。パッヘルベル『カノン』、ドビュッシー『亜麻色の髪の乙女』、いずみたく『見上げてごらん夜の星を』、アイルランド民謡『サリー・ガーデン』など幅広いジャンルの曲が楽しめる。

    オフィシャルサイト http://harp.yukikohirao.com/
    撮影協力 南麻布セントレホール

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/