8歳からモデルとして仕事をしてきた。あまりの美貌に、12歳にして〈東大生が選ぶアイドル〉に選ばれ、それがきっかけで翌年、映画『ハイティーンブギ』のヒロインに大抜擢。当時のトップアイドル・近藤真彦さんの相手役だった。

「全国的な人気者の相手役ですから、一夜にして同年代の人たちに、顔と名前を覚えていただきました。そんなふうに知名度を得ることができる人って、いないんじゃないかと。本当に私はラッキーですよね」

 それを機にアイドル活動を開始。以後、映画やドラマに出演、歌手デビューも果たした。

「だけど少し早すぎたのかもしれません。まだ13歳、本当に子どもでした。まともな演技の勉強もしないまま、歌にも自信がありませんでした。知名度が高い分、キツかったです」

 アイドルとしての仕事の中で、ひとつだけ、手応えを感じる仕事があった。グラビアだ。最初に写真集を出したのが、15歳頃のこと。爆発的な売り上げを記録する。

「写真を撮られるのは自分でも楽しくて好きな仕事でしたし、自信がありました。できたらパイオニア的な存在になりたいと思ったんです」

 かの有名な貝殻水着の写真は、その頃のもの。

「写真集の撮影にロケに行って、スタッフと一緒に食事しているとき、テーブルに大きな貝殻があったんですよ。これを使うのもいいよねって、ノリで撮った写真です。それがすごい話題になって、今に至るまで武田久美子といえば貝殻水着と言われてしまう。ありがたいことですけど(笑)」

  • 出演:武田久美子(たけだ くみこ)

    1968年8月12日生まれ。東京都出身。映画『ハイティーンブギ』のヒロイン役で一世を風靡し、その後グラビアアイドルとして頂点に立つ。結婚後、アメリカへ移住し、一女をもうける。現在はサンディエゴ在住。著書に『武田久美子という生き方』『武田久美子のつくり方 DVD付き』『43歳でもなぜ武田久美子でいられるのか』(すべて小学館)『くみこの掟』(講談社)などがある。サンディエゴでのライフスタイルを綴ったブログも人気。

    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/kumikotakeda/

    【新刊紹介】

    『20年先まで艶ある女をめざすあなたへ 武田久美子のシンプルな35の習慣』(トランスメディア) 7月21日発売 雑誌『GLITTER』で連載した記事をまとめた1冊。意識ひとつであなたの見え方、そして人生は少しずつ良い方向に変わっていく! 大事なのはょっとした工夫や努力でも、毎日続けること。美しくなるため、そして幸せになるためのシンプルなテクニックや気付きを、武田久美子がご紹介。

    ヘアメイク:石倉論

    スタイリスト:中村日和

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/