#4 これができるのは、僕だけ。
書道アーティスト Maaya Wakasugi
- Magazine ID: 2049
- Posted: 2015.02.05

女装と書道、このスーパー縁のなさそうな2大カルチャーのドッキングは、衝撃的。今のところ世界で実現してるのは、Maayaさんだけだ。
「18㎝ヒールのパンプスを履いて、コテコテのドレスを着て超コンディションの悪い中、あのクオリティを出せるのはたぶん、僕だけだと思います。ただ目立ちたいのではなく、ちゃんと僕の中には鍛えたものがあるから、自信を持って見せることができる。書道は大学でも専門的に勉強してきましたし、女装もきっちり鍛えたからこそ、できることなんです。しかも書いているときは僕の中で一番アドレナリンがでてドーパミンもでて、なおかつ女装もハイテンションになりますから、それでお客さんが感動しないわけがない。・・・・なーんて、傲慢でビッチな、ドラァグクィーン的な物言いをしてみました(笑)」
ここに至るまで、平坦な道を歩んできたわけではないのだ。
大学を卒業後、美容師の資格をとってニューヨークへ。多種多様な人々を受け入れてくれる街・NYで生活するには美容師になるのが一番の近道、と聞いて選んだ選択だったが、「美容師になりたかったわけじゃない」と気付いて8ヶ月で帰国。その後はさまざまな職業につきながら、定期的に書の個展を開くことは続けていた。
転機となったのは、2011年の東日本大震災。
「東京にいたんですけど、〝ああ、もうダメかもしれない〟と思ったんです。同時に〝このままじゃ人生終われない〟とも思った。〝まだまだやりたいことがたくさんある!〟って。それをきっかけに、大好きな書道を本業にしよう、と思い、プロの書道家になりました。
でもそれまでの人生を、無駄だとは思わない。遠回りは財産だと思っています。いろいろな経験値が自信になっているし、自分を信じて自分の道を突き進むために、必要な道程だったのかな、と」
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出演:Maaya Wakasugi
17歳で初個展を行い、「古代文字」をモチーフとした独自のスタイルを確立。ロンドン大学での個展、パリのルーブル美術館公認の関連NPOロゴマーク制作、アーティストやクリエーターへの作品提供とコラボレーション、パリやベルリンでのパフォーマンスなど、世界各地でさまざまな活動を続けている。昨年は台湾の襲園美術館で個展を開催、7月にはNYをベースに活動するバンド『Computer Magic』とMoMAで共演し、即興パフォーマンスを披露した。
Maaya Wakasugi個展
『La Coastline』2月4日(水)~13日(金)
Moca東京
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前2-14-17 2階
http://goodagingyells.net/colorful-stationMaaya Wakasugi
オフィシャル・ホームページ
http://www.maayamaaya.com/お問い合わせ
【OFFICE303】
オフィシャル・ホームページ
http://www.office303.jpTel 日本
(81)3-6276-5607
Tel台湾
(886)925-188-444 -
取材/文:岡本麻佑
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撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/