子役からの脱皮
美山加恋
- Magazine ID: 1543
- Posted: 2013.09.09
はじめまして、と顔を合わせた途端、私は彼女を「知っている」と確信した。
「とても印象的な役で拝見していた記憶があるんですけど……」
「なんのドラマでしょうね」
美山加恋ちゃんは大きな目をじっとこちらに向けている。
プロフィールを見る。1996年生まれ? つい昨日のことじゃないか。16歳かあ。それにしては出演作はテレビドラマだけで30以上並んでいる。いや、でも私が見ていたのはこれじゃない。……あっ、『IRIS ‐アイリス‐』! イ・ビョンホン様主演の! それを見つけた途端、叫んでいた。
「ゆ、ゆきちゃん!」
照れくさそうに、くすりと彼女は笑った。
「はい、その役、私でした」
なんと彼女は韓国で50%以上の視聴率を叩き出したあのイ・ビョンホン様主演の連続ドラマ『IRIS -アイリス‐』で、秋田で彼が追っ手に殺されそうになったのを助け、家で介抱してあげたのに一家全員殺されるというあの天使のようなユキちゃんを演じていたのであった。(すみません、イ・ビョンホンと出てくるだけでやや興奮気味で、文章が荒れます)
「日本人女性の優しさを表現してくれてましたよ。……それなのに殺されてしまうなんて可哀想にねえ……」
あまりにその作品に感情移入してしまっている私は、まるで『冬ソナ』でふられ役だったパク・ヨンハが来たときの黒柳徹子のように「可哀想」を連発するのであった。
しかしあの頃はまだ小学生だった美山加恋ちゃんも、16歳。もはや子役ではなく、なんとこの度、初キスシーンのあるドラマにまで出演していたのである。
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出演:美山加恋
1996年東京生まれ。6歳から子役として活躍。関西テレビ『僕と彼女と彼女の生きる道』で脚光を浴び、最近では東海テレビ『鈴子の恋』、フジテレビ『高校入試』、映画『ももへの手紙』(声優)、舞台『神様の観覧車』など30以上の人気ドラマ、映画、舞台に出演。現在フジテレビ『山田くんと7人の魔女』でテレパシー能力をもつ大塚芽子役を熱演中。10月からスタートのNHKスペシャル時代劇『雲霧仁左衛門』、10月12日公開の映画『埼玉家族』に出演。
http://horipro.co.jp/talent/PF117/
公式ブログ http://ameblo.jp/karen-mi/entry-11599803306.html -
取材・文:森 綾
1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影:萩庭桂太