ダンス歴が23年なので当然腕前は師範代クラス。ダンスの先生もしていらっしゃる。物心つく以前からお母さんのレッスン風景を見て育っているわけだから教える方もお手の物のようだ。

「生徒さんに教えながら自分も勉強しています。ダンスのレッスンでは技術よりも表現力を養うような指導をしています。最初はストレッチ、筋トレ、リズム・トレーニングをやって、振り付けをします。教えることはとても難しいです。母をずっと見ていたので、それはすごく参考になっていますね」

　やはりダンスの基本はストレッチだそうです。彼女のプロフィール・シートに趣味・ストレッチとある。

「ストレッチが基本、レッスンの半分強はストレッチに時間を割きます。それからリズムの練習、アイソレーションっていう体の部分部分を動かす練習、基本のステップを体に染み込ませる練習と続きます。ストレッチさえしっかりしていれば、怪我もしませんし。私、とにかく丈夫です（笑）」

　ちなみになぜそこまでダンスに魅かれるのか？　ダンスの醍醐味、踊ることの魅力って何だ？

「黙っていても体ひとつで自分を表現が出来る。そこがダンスの好きなところです。自己満足な部分も多いです。たくさんの人に見てもらえることも気持ちいいですけど、踊っていること自体が面白い。踊っているだけでも楽しいのに、スポット・ライトを浴びてたくさんの人に見てもらえるという快感がプラスされる。これはすごいことだと思います。たまにですが、自分のダンスと音が完全にシンクロする瞬間、表現したいことと音楽と動きが合う瞬間があるんです。ダンスをしていて最高に楽しい瞬間です」

　踊りを極めたものだけが得られる醍醐味なのだろう。ちょっとアスリートの脳から競技の最中にアドレナリンが噴出するのと同じかもしれない。

「どんなに体が痛くても、体の調子が悪くてもその瞬間忘れるんです。3歳からダンスを始めて一度もやめたいと思ったことがありません。よっぽど自分に合っているんだと思います。兄も姉もまったくダンスには興味を持っていなかったのに、私だけ興味を持ったことも不思議です」

　たぶん、生まれながらのダンサーなのだ。