野波麻帆さんは、サバサバっとした明るさがいい。

 女友達がいっぱいできそうな雰囲気がする。東宝シンデレラのオーディションを受けたのは16年前だが、そのときの戦友たちからブログにメッセージがいまだに届くというのもわかる気がする。

「女友達と集まったりすると楽しいですよね。それで好きな人がいたり彼氏がいたりしたら、今はそれでいいかなあと思います。若い頃から結婚願望がなくて想像がつかないんです。まだまだ仕事をセーブしたくないんでしょうね」

 来年1月には東映系『つやのよる』という映画に出演する。阿部寛主演で、女性が7人出てくるオムニバスのような不思議なストーリー。大竹しのぶや、小泉今日子と肩を並べ、つやの元夫のことを好きになる女性を演じる。

「私自身は、生涯女優、と言われるようなイメージは好きじゃない。人間らしく毎日を大事にしていけば、それが演技につながっていくのではないかと思っています。どんな仕事においても、そういうものが出せるようでありたいです」

 もともと中学生のときにトレンディドラマが大好きだったという。

「『東京ラブストーリー』とかね。有森也実さんがやったような役をやってみたいと思ったんです」

 ちょっと小悪魔っぽく笑った。そういう顔もこうして目の前で笑っている彼女とは違って、いいな、と思った。

  • 出演:野波麻帆

    1980年東京都生まれ。16歳で東宝シンデレラガールに選ばれ、女優デビュー。1988年、映画『愛を乞うひと』で第22回日本アカデミー賞新人賞と助演女優賞を受賞。数々の映画、ドラマに出演し、話題となる。BS朝日の日曜夕方5時からの『くらしのサプリ!集合○○三姉妹~Girls’ Adventure~』では素の表情も見せて女性に人気。
    公式ブログ http://ameblo.jp/nonami-maho/

  • 取材・文:森 綾

    1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
    http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

ヘアメイク:shige http://hmallure.jp/agent/shige
撮影:萩庭桂太