さてYEOの『ブラスト!』特集、フィナーレを飾るのは〝神の手〟の異名を持つスネアドラマー、石川直だ。2000年に『ブラスト!』初の日本人として入団。以来17年間、『ブラスト!』のステージを盛り上げてきた。
 ドラムとの出会いは、アメリカのハイスクールにて。14歳のときに父親の仕事の関係でアメリカに移住、高校の授業でマーチングバンドに入ったのだ。17歳のとき初めてDCI(ドラムコーインターナショナル)を観て、刺激を受けたという。
「当時テレビゲームが流行っていて、周りの友達がそういうのに熱中していたのと同じ感覚で、僕はドラムに没頭したんです。もともと音感はいい方だったし、ドラムとの相性が良かったんでしょうね。スネアドラムを叩き始めて3年くらいで、全米の学生チャンピオンになりました」
 1995年にDCIで団体優勝、同時に最優秀パーカッション賞を獲ったのを皮切りに、各地のコンベンションのスネアドラム部門で次々に受賞を重ねていった。
 その後の一時期、日本に戻っているのだが、それには理由がある。
「テネシー州の大学に行っていたんですが、同年代の友達がみんな、学費を自分で稼いでいたんです。そんな中で自分だけ学費も生活費も親がかりなのが、恥ずかしくなった。ドラムでそれなりの実績は残したし、日本大好きだし、だったら大学生活最後の1年くらい、自分で学費を稼ごうと思ったんです。自立欲、ですね。高校生のマーチングバンドに教えて、学費を稼ぎました」
 1999年に再び渡米し、大学生活に戻った。その頃、彼の腕を見込んで、『ブラスト!』立ち上げに参加しないか、と打診があったという。
「コンテストで競ったことのあるミュージシャンもたくさん参加していて、そういう猛者どもが集まるところなら、自分がそれまでに培ってきた経験が生かせると直感しました。でもとりあえず、大学を卒業したかった。ですから僕は1年遅れで参加したんです」
 以来『ブラスト!』の屋台骨として、石川はドラムを叩き続けてきた。ほかにも幅広く、さまざまな場で仕事をしているが、『ブラスト!』は彼の原点だ。
「今年も昨年に引き続き〈ミュージック・オブ・ディズニー〉をやりますが、よりブラッシュアップされた、濃厚なものになると思います。ディズニーの音楽は、単純に楽しいだけじゃないんですよ。夢とか希望とか情熱とか、シンプルだけどやっぱり力強いメッセージが、演奏している僕自身にもしみこんでくる。聴いている人の気持ちやライフスタイル、強いて言えば人生まで、変えていく力があると思います。日本の子供たちにも大人たちにも、ぜひ『ブラスト!』でディズニー音楽の真髄を、体感してほしいですね」

  • 出演 : 石川直 いしかわ なおき

    1975年、東京生まれ。2003年から今に至るまで、『ブラスト!』日本ツアーに日本人唯一のパーカッショニストとして参加。2005年から堂本光一主演舞台『Endless SHOCK』に出演。2015年「嵐」の5大ドームツアーではスネアドラムのパフォーマンスを指導した。その他あらゆるジャンルのアーティストたちとのコラボレーションに取り組み、注目を集めている。
    オフィシャルサイトhttp://naokiishikawa.com/

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/