アメリカでも日本でもほかの国々でも、マーチングバンドの一員として活動する人たちにとって、『ブラスト!』は憧れの的。いつか『ブラスト!』のメンバーに入りたいと何年も頑張っている人たちが、たくさんいる。
そんな中、トランペッターの米所裕夢は19歳で『ブラスト!』のオーディションに合格。2012年の日本ツアーでは最年少ソリストに抜擢された。2014年にもソリストとして中心的な役割を果たし、2016年の『ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー』でも大活躍。若くして実力を証明し続けている、エリート的存在だ。
 中学校で吹奏楽部、高校では一般のマーチングバンドに所属し、独学でトランペットを学んだという。
「大学に入った頃から、プロの世界でやりたいという思うようになりました。アメリカでは青少年育成のためのドラムコーが盛んなので、そこで自分がどこまで通用するのか、知りたくなった。若いうちにアメリカに行ってチャレンジしたくなったんです。お金はかかるけど、自力でなんとかしよう、と」
 資金を貯めるため、アルバイト生活に突入。朝はカフェ店員、昼はファスト・フード、夜も別の仕事と、フル回転で働いたという。そんな頃、2012年の日本公演決定という情報を得て、ダメモトでビデオオーディションに挑戦。すると一発でOKの返事が来たという。実力が幸運を引き寄せたのだろう。
 だが本当に大変だったのは、その後リハーサルが始まってから。
「やっぱり言葉ですね。英語は学校で得意だったんですが、イントネーションも言い回しも現実の英語は全然違う。予想以上に苦労しました。でもそこを乗り越えたら、あとはスムーズ。何をやろうとしているのか、僕の何を認めてくれているのか、コミュニケーションがとれれば、お互いにリスペクトしあえる。みんなといい関係が作れるようになったんです」
 もちろんパフォーマンスも、簡単ではない。
「『ブラスト!』では演奏力だけでなく、かなり激しく動き回りながら演奏することが求められます。パーカッションやダンサーの人たちは動いたり演奏しながら、自分の吸いたいタイミングで息を吸えるし、吐ける。でも管楽器はそうじゃない。音を鳴らしている間、ずっと息を吐き続けているんです。息切れを必死でコントロールしながら、笑顔で演奏しているんです(笑)」
 ちなみに米所は、小さい頃からディズニーが大好き。
「物心ついた頃から、『くまのプーさん』とか『トイ・ストーリー』ばかり見てました。曲で好きなのは『トイ・ストーリー2』の『When she loved me』。切ないのにぐっとくる曲です。そういう曲を僕が演奏するチャンスが今回、あればいいんですけど。楽しみに、ぜひ、いらしてください!」

  • 出演 : 米所裕夢 よねそ ひろむ

    1992年兵庫県高砂市生まれ。千葉県の某テーマパークでトランペット奏者としてパフォーマンスするかたわら、奈良学園大学マーチングバンド部の一員として活躍。マーチングバンド指導、金管楽器指導、楽譜アレンジなど、後輩の育成にも力を入れている。 
    HP http://otoya-ent.com/artist/yoneso.html

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/