8月23日日曜日、杏子は東京・日比谷の野外大音楽堂で『NAONのYAON 2015』のステージに立っていた。〈Chelsy〉〈Mary`s Blood〉〈Gacharic Spin〉などなど共演の若い女性ロッカーたちにとって、80年代から活躍し続けている杏子は憧れの先輩だ。一方、杏子から見た彼女たちは、

「みんなすごく上手です。勢いでバンドやってるわけじゃなくて、ちゃんと研究して練習して、自分たちのポジションをわかってますよね。それに、私はバービーボーイズの紅一点だったし〈SHOW-YA〉の寺田恵子ちゃんたちはレディースバンドで、どこかに〝女だからって、なめられちゃいけない!〟っていう意地みたいなものがあったと聞いています。でも今の子たちはそのまま可愛くて、しかもバカテク(笑)。プロ意識もハンパなくて、仕事に関して大人ですよね」

 フィナーレ近く、杏子はローズ色のドレスに着替えて、新曲『Flamingo Rose』で舞台を盛り上げた。ノリが良くて華やかで、これぞまさしく大人の女のステージ。

「ライブって魔法なんです。オーディエンスの熱い反応が、リハでは全然できなかった歌い方とかダンスをさせてくれる。百万回のリハより1度の本番。力を与えてくれるんですよ。この瞬間が最高だからきっと私、今も続けているんですね(笑)」

  • 出演:杏子(きょうこ)

    1992年、BAABEE BOYSの解散後、ソロで活動。現在、ラジオ番組のパーソナリティをはじめ、映画・舞台など、幅広いジャンルで活躍中。2014年人気エクササイズとコラボ、作曲に時代を超えて大ヒット曲を続ける筒美京平、音楽史に残る名作を手がけた作詞家・湯川れい子を迎えたシングル「恋するBAILA BAILA」が話題を呼ぶ。2015年9月30日に、いまみちともたか、Chris Mosdellほか、国内外で活躍するアーティストが参加のシングル「 Flamingo Rose」をリリースする。全5曲、人気エクササイズ『BAILA BAILA』とタッグを組んだ、杏子×BAILA BAILA完全コラボレーション・パッケージ。

    オフィシャルサイト http://www.office-augusta.com/kyoko/

    スタイリスト:Ryoko Kishimoto(W)

    ヘアメイク:村端ジン

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/