カッコイイ50代女性なんて、今さら珍しくもないけれど、この人の格好良さは別格だ。〈バービーボーイズ〉とか〈福耳〉とか、どんな花束の中に入れても目立つ、大輪の花。80年代から活躍してきた、杏子は女性ロックシンガーの草分け的存在なのだ。

「そう言っていただけるのはうれしいけど、実はバービーの時代はずっと怯えていました。〝プロになれてラッキー!〟だったけど、ラッキーの後には必ずツケが回ってくるの(笑)。要求されていることができない、つらい、という思いばかりで。今思えばもっと楽しんでおけば良かったと思うけど」

バービーボーイズ解散後、ソロのアーティストに。

「このとき初めて、自分で人生選んだのかもしれない。解散したら親は嫁に行くと思っていたし、自分ではOLに戻るのかなって思ってました。もともと私、親の言うこと聞く良い子だったしね(笑)。でも〝一番したいことは何?〟って自分で自分に問い詰めたら、答えは〝ライブ!〟だったんです。ソロになってしばらくは、音楽の方向性に迷って挙動不審だったけど(笑)、やっぱりロック! ストーンズとか聴くと、うおおおお!って血がたぎるんです」

  • 出演:杏子(きょうこ)

    1992年、BAABEE BOYSの解散後、ソロで活動。現在、ラジオ番組のパーソナリティをはじめ、映画・舞台など、幅広いジャンルで活躍中。2014年人気エクササイズとコラボ、作曲に時代を超えて大ヒット曲を続ける筒美京平、音楽史に残る名作を手がけた作詞家・湯川れい子を迎えたシングル「恋するBAILA BAILA」が話題を呼ぶ。2015年9月30日に、いまみちともたか、Chris Mosdellほか、国内外で活躍するアーティストが参加のシングル「 Flamingo Rose」をリリースする。全5曲、人気エクササイズ『BAILA BAILA』とタッグを組んだ、杏子×BAILA BAILA完全コラボレーション・パッケージ。

    オフィシャルサイト http://www.office-augusta.com/kyoko/

    ヘアメイク:村端ジン

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/