コンプレックスは? 尋ねたら、速攻で返ってきた答えは「年齢です!」。
 17歳であることが、彼女にとっては最大のユーウツらしい。

「イヤでイヤでしょうがないです。ワークショップで大人の女性の役をやるときも、芝居的に問題はなくても、相手は私を若いと思って見ていますからね。逆サバを読みたいくらい。高校時代なんていらないって思ってます、本当に(笑)。早く27歳になりたいです。ひとりでなんでもできて、自己管理もできて忘れ物もしないで素敵で優しくてかわいい、そんな大人の女性になりたいです」

 キモチ的には、すっかり大人。精神的な自立は、もうできている。

「誰かに養ってもらうのがすごくイヤです。自分が誰かを守るのなら、いいんですけど。親にも負担をかけたくないし、だれか好きな人ができて、その人に生活力がなかったら、私が稼ぐからいいよって言ってあげたい(笑)」
 けして大柄ではなく、華奢な少女のイメージ。なのにふとした瞬間、大人の女の表情を見せる。17歳の夏は、色とりどりの光の中、過ぎていく。

  • 出演:小川あん(おがわ あん)

    1998年生まれ。東京都出身。2013年から本格的に芸能活動を開始。2014年『パズル』で映画デビュー。今年だけでも東京藝術大学長編作品『結城家の眠り』、『夢見るカフェ』短編『後ろ向きの青』など出演、主演作品が次々に公開される。7月24日からTVCM「進撃のゲオキャンペーン 女子高生編」もオンエア中。

    オフィシャルサイト  http://www.tommys.co.jp/profile/ogawa_an.html

    Twitter https://twitter.com/ogawa0329an

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/