GLIM SPANKYを育んだのは日本アルプスの山並みの狭間にある、小さな町。そこにはライブハウスも楽器店も何もない代わりに、山があり清流が流れ星が輝く。この豊かな自然が、GLIM SPANKYの背骨になっている。

松尾 『銀河鉄道の夜』を彷彿とさせる場所なんです。私の実家の近所に日夏耿之介記念館があるんですけど、日夏耿之介という人は詩人で翻訳家で文学者で、若い頃には芥川龍之介とアイルランド文学研究会を作ったり、後に三島由紀夫や澁澤龍彦に影響を与えることになったすごい人。宮沢賢治もそうですけど、自然のまっただ中にいるからこそ生まれる抒情文学、幻想的な世界観がありますよね。その日夏耿之介の見た風景の中で、私は育ったんです。いろんな景色が、アイルランドが好き、幻想的な抒情文学が好きという私の核を作ってくれたんだなって思います」

 その美しい風景をバックに萩庭氏が撮影していると、ふたりはいきなり〝かけっこしよう!〟と走り出したとか。

松尾 アンニュイとか退廃的とか言われますけど、私たちけっこう元気なんで(笑)

亀本 今もサッカーやってますから。走るの得意です!

 軸のぶれない、性根の座ったまっすぐな野太さもまた、GLIM SPANKYの持ち味なのだ。

1st. Album『SUNRISE JOURNEY』

7月22日(水)ALBUM RELEASE&配信RELEASE
品番:TYCT-60066 定価:¥2,700(税込)
発売元 : ユニバーサルミュージック
9月から全国各地でリリースツアーをスタート。
10月17日(土)リリースツアーファイナルワンマンは赤坂BLITZにて。
http://www.universal-music.co.jp/glim-spanky/

  • 出演:GLIM SPANKY(グリム・スパンキー)

    Vocal・Guitar:松尾レミ(23歳) Guitar:亀本寛貴(24歳)
    長野県の同じ高校に通っていたふたりが出会い、2007年に結成。2009年『閃光ライオット』のファイナリストに選出。2014年6月ミニアルバム『焦燥』にて、ユニバーサルミュージックからメジャー・デビュー。ロックとブルースを基調にしながら新しさを感じさせるサウンド。日本におけるオーセンティック・ロックの旗手として活躍が期待される。

    オフィシャルサイト
    http://www.glimspanky.com/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/