今日紹介するj-Pad Girlsの2人はアニメの世界からにょきっと出てきてそのまま人間になってしまったような女のコたちである。日本のアニメが世界で大人気な今、ひょっとしたらこの2人は台風の目玉となるかもしれない。

 まず制服の女子は酒井蘭。本当に高校生のような、いやー、なんかあやしい、突如変身するのかもと思わせる笑顔である。そして小動物がきゅんきゅん鳴くような高くて可愛過ぎる声。

「『らき☆すた≒おん☆すて』というアニメを原作にしたミュージカルで主役をして、歌ったり踊ったりしていました。東京ドームのシアターGロッソというところでやったんです。もともと、私は声が特徴的なので、グループで歌うと浮き上がってしまうから、歌はあまり好きじゃなかったんです。でも舞台のとき、見に来てくれた方を目の前にした時に、生で歌って伝えたーい、っていう気持ちになったんです」

 選曲は『けいおん』という映画に出てくる『U&I』。いやはや、その声を聞いているとカゴに入れたくなりますよ。

「声より身を見てほしいです」。きりっと言われて、どきっとした。

 もう1人は、これまた生きている「初音ミク」のようなコスプレで登場した、山下瑞稀である。選曲も、人工的に作られたキャラクター画像の初音ミクが歌ってヒットした『キャットフード』。初音ミクの歌声は「ボーカロイド」というソフトで作られた機械音である。

「もともとボーカロイドの歌が好きだし、この歌は猫の気まぐれな感じがいいなあと思って。……普段は私はドラッグストアの医療事務で働いていて、ニコ生で生主をやっています」

 ニコ生のナマヌシって?

「ニコニコ動画で生放送をやっているんです。普通にやっても面白くないので、電波チックなしゃべり方をいろいろ考えています。今はやらせたい言葉は『ぷげらうひょー』です。アニメでよく驚いた人が『プギャア』と言うじゃないですか。それと『うひょー』って言う言葉をくっつけたわけです」

 小学3年生の頃から帰宅するや2ちゃんねるにふけり、PCのキーボードをものすごく早く叩けるようになったため、今の職場でも重宝されているという。

「レベル18のときに、つんくプロデュースの“ナイスガールプロジェクト”の研修生をやらせてもらっていましたが、レコーディングは今回が初めてです。今、レベル19ですが、学んだことは多すぎます。私の生きた証です」

 ちなみにレベル19とは、19歳の意味らしい。

「私はレベル48です」

 そう言うと「強そう!」と言われた。

東京から世界に発信するメディアアート・プロジェクト
"j-Pad Girls" 2nd Season(CAMPFIRE)

http://camp-fire.jp/projects/view/490

  • 出演:酒井蘭

    東京都出身。ミュージカル『らき☆すた≒おん☆すて』主役の泉こなた役を演じ、人気を集める。「日テレジェニック2011」ファイナリスト制作委員会特別賞。PIALA MODELS所属。
    http://ameblo.jp/sakai-ran

  • 山下瑞稀

    千葉県出身。元「ナイスガールプロジェクト」研修生。ニコ動・生主で活動中、人気急上昇中のライブアイドル。j-Pad Girlsでは、初音ミクの『キャットフード』を11月21日配信予定。M-SMILE所属。
    http://ameblo.jp/mzkng99

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太