第一弾アーティストのうちの別の1人、船田真妃にも会うことができた。彼女は一度ユニット歌手としてメジャーデビューしているが、今は読者モデルとして人気があり、ブログのアクセス数が群を抜く。

「私はブログがきっかけで雑誌に呼ばれるようになったんです。歌の仕事はメジャーデビューしたこともあったけど、今回は全部自分で、っていうのがまったく違う仕事のようでした。ドラムのところはドゥンドゥンって歌えばいいのかな、ギターはギュィーンかな、と、いちいち悩んで、1週間くらいずっと聴いていました。選曲は『セーラームーン』が大好きだったのと、海外でも受けそうなので『“らしく”いきましょ』を選びました」

 サウンドプロデュースを手がける浅田祐介氏は言う。

「ぼくら音楽を生業とする人間は、ドラムなら『ドゥンドゥン』とか言うし、ギターなら『グィーン』とかいう擬音で表現することが多い。でも彼女たちはドラムを『ドシドシ』とか『むんむん』とか言うし、ギターを『ギャンギャン』とか『ザンザン』とか表現する。それを聞いて、いったん音楽的共通言語は忘れようと思いました(笑)。本当に彼女たちが聴こえているように歌ってもらえばいいと。面白いのは、楽器だと半音ずれると不協和音になるのに、生の声だとすっと聴こえてしまう。意外に表現の幅は広くて面白いんです」

 ボーカルのメロディをまぎれさせないようにひとつずつの楽器を重ねていく。そんな音楽の作り方ができる時代になったんだなあと驚いた。

東京から世界に発信するメディアアート・プロジェクト
"j-Pad Girls" 2nd Season(CAMPFIRE)

http://camp-fire.jp/projects/view/490

  • 出演:船田真妃

    青森県出身。「LOVE to LOVE」でワーナーミュージックよりメジャーデビュー後、現在は人気読者モデル。j-Pad Girlsでは9月19日、「セーラームーン」の『“らしく”いきましょ』を配信。

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太