「どこかで見たことある」って、思うはずだ。数多くのファッション誌のみならず、ＴＶのＣＭや大型ポスターに登場。本人に言わせると「正統派の美女じゃない」けど、どんな場所に置いても今っぽくてカッコイイ。スタイリッシュで可愛くて、強烈な存在感がある。
ヘアメイクと服と照明とカメラ次第で、そしてもちろん被写体となる彼女自身のセンスと意識と演技によって、夢見る乙女からＯＬ風、とんがった女子から造り込んだ美女まで、１００通りの女になれる。田中シェンは、そういうモデルだ。
　でも今回ＹＥＯが撮るのは、素の田中シェン。何かのために撮るのではなく、田中シェンそのものを、萩庭氏のカメラは捉えている。
「それ、今の私の課題なんです。私はモデルだから、カメラの前に立つとオートマティックに、どうすれば服が良く見えるか、どうすればスポンサーの求めているものを提供できるか、カメラマンが撮りたいのはどんな女性像なのか考えて、それに応えてしまう。何もしないでぼーっとして、〝これが私です〟って、なかなかできないんです。でも萩庭さんは撮るのが早いから、こっちが何かする前に撮影が終わっている（笑）。今週のＹＥＯには、今まで見たことのない私が映っているんじゃないかな。それがすごく楽しみです」
　撮影の後、約50分のインタビューの間に、涙が３回、ビッグスマイルが30回。話してくれたのは、喜怒哀楽たっぷりの人生ストーリー。正統派の美女じゃないかもしれないけど、不思議な魅力と気になる存在感を持つ美女のお話を、金曜日まで連日更新しながらお伝えします。