将来の夢は？　尋ねると、堅実な答えが返ってきた。
「目先の、ちょっと先の目標を立てるのが自分には合っているんです。スケールの大きな漠然とした目標よりも、先にいる先輩を目標に頑張るのが性に合っているんですね。今だったら『ドクターＸ』の先代の秘書役をやった田中道子さん、本当に尊敬しているしカッコイイ先輩なので、早く肩を並べられるくらいになりたいです。空手の時もそうでした。日本一を目指すより、次の大会で絶対に優勝する、という気持ちのほうが頑張れる。そうやって一歩一歩先に進めたら」
　空手の実績があるので、アクションを磨いていきたい。料理の腕を磨いていけば、いつかきっと女優の仕事でも役に立つ。そしてもうひとつ、是永には特技がある。
「特技というか、面接は得意です（笑）。福岡大学には推薦枠の面接で通ったのではないかと思っています。もちろん受験前１年くらいは勉強頑張りましたけど、面接もすごい練習したんです。いろいろなノウハウを研究して編みだした私なりの極意はまず、面接官の目をしっかり見ること。〝自分はここに入りたいんです！〟という思いを込めて、絶対後に引かないこと。服装をキレイに整えて、髪を後ろにまとめて結んで、お辞儀しても乱れないようにグリースでしっかり固めて、面接官全員に訴えかけるように視線を合わせました」
　ネットに上がっている「第1回ミス美しい20代コンテスト」の映像にも、その面接術が生きているのがわかる。是永は堂々と落ち着いて会場のすみずみまで見渡し、自分に集まる視線をしっかりと受け止めている印象だ。『ドクターＸ』をはじめ、これから続く女優人生にも、この面接術と空手で培った気合が、役に立つに違いない。
「今は、萩庭さんに撮っていただいた写真がどんな風に撮れているのか、それが楽しみです。これからどんどん成長していくつもりなので、皆さんに応援して欲しいです！」