三島の転機は、27歳のとき。
「それまで勤めていた整体の店が、いきなりなくなってしまったんです。オーナーと院長がそれぞれ大金を横領して夜逃げして、僕たち従業員は給料不払いのまま、放り出された。すると妻が〝良かったね。これは自分で起業すべきタイミングということ。自分でやるためのプレゼントだよ〟と言ってくれたんです。僕もそうか、と納得して、そこから３ヶ月、失業保険をもらいながら、ブックオフで買い込んだ起業に関する本を読みあさって、全部まとめて起業ノートを作ったんです。それからすぐに起業しました」
　メンタル面でも、変化があった。
「たまたまその直前に、企業研修に来た先生から聞いた話がきっかけでした。それまで僕は、自分のことが嫌いだった。しかも全部人のせいにして生きていたんです。物事がうまくいかないのは世の中のせい、妻のせい、同僚のせいだと思っていた。不幸の原因は自分の外にあると思い込んでいた。でもその先生の話を聞いているときに突然、すべての原因は自分の中にある、と気づいたんです。世界は自分が作っている。なんとなく生きるのはもうやめよう、と思いました。自分は何のために何をするのか、どういう覚悟で生きていくのか。とことん考えた。そうやって自分の軸ができたから、起業もスムーズにできたのだと思います」