この男、永井秀樹。
つい最近までJ2『東京ヴェルディ』の現役選手だった。Jリーグ発足当時から天才ドリブラーと呼ばれ、スター選手として活躍。以来、さまざまな所属クラブで結果を残しながら、選手生活はなんと25年間。45歳になってもあの広いサッカーグラウンドを縦横無尽に走り回っていたのだ。すごい!
「いや、自分はすごいと思ってないです。そう言ってもらえるのはうれしいですけど、ね。自分は何の満足感もないんですよ。子どもの頃から海外で活躍したかったし、ワールドカップにも出たかった。でもそれが叶えられずに、後悔とか悔しさしかないんです。もっとやればよかった、ということしかない。気付いたら25年やっていたっていうだけです」
 とはいえ、気持ちだけでサッカーはできない。体力は徐々に、落ちるはず。
「いや、まったくそれは感じていないですね。今でも体力だけで言わせてもらうと、ふつうにやれる自信があるんです。いわゆる体力トレーニングも若手に負けないし、負ける気もない。ただ、ケガから回復するのに時間がかかるようになった。それだけです。カズさん(三浦知良選手)は50歳超えても華々しくやっていますからね、あれを見てると俺も50過ぎまで、あと何年かやれたかな、とは思うけど(笑)」
 現役生活にピリオドは打ったけれど、諦めていない。妥協もない。終わっていない。
今にもグラウンドに飛び出して行きそうな気迫が、彼の中にみなぎっている。
今季から彼は、東京ヴェルディユースの監督に就任。15歳から18歳の高校生30余名を鍛えあげる日々が始まった。
「選手だろうが監督だろうがフロントだろうが、目標はひとつです。日本一のすばらしいクラブ、世界に誇れるクラブを作りたい。日本サッカーの質をもっともっと向上させたいんです。より高度なサッカーを、と考え始めると、もう終わりがないんですよ」
 頭のてっぺんからつま先まで、サッカーでできている? いえいえ、よーく話を聞いてみたら、意外な成分が永井秀樹を作っていることが判明。今週は今日から金曜日まで、サッカー界のレジェンドを徹底解明、しちゃいます!

  • 出演: 永井秀樹 ながい ひでき 

    1971年生まれ。大分県出身。1992年ヴェルディ川崎(現:東京ヴェルディ)に入団。1995年から福岡ブルックス(現:アビスパ福岡)に移籍後、J1、J2、JFLの各クラブで活躍してきた。その間、各クラブでナビスコカップ、天皇杯、Jリーグのステージ優勝などを経験している。2014年東京ヴェルディに7年ぶり5度目の復帰を果たし、3シーズンを過ごした後、引退を発表。25年間のプロ生活にピリオドを打った。今季より東京ヴェルディユース監督に就任。  

    撮影協力 東京ヴェルディ http://www.verdy.co.jp/index.html

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/