スタイリッシュな大人の男と、エキゾチックな美貌の美女ふたり。

 ちょっとアヤシイ、怪しい、いや妖しいこの3人(実は4人)は今後日本の、いや世界のショービズ界を揺るがすつむじ風になる、かもしれない。

 男性は、作詞家の売野雅勇。シャネルズの『星屑のダンスホール』を皮切りに80年代から90年代、中森明菜、チェッカーズ、近藤真彦、シブガキ隊、さらには矢沢永吉、SMAP、森進一などなどアイドルから大御所まで、幅広いアーティストに詞を提供し、数多くのヒット曲を世に送り出してきた。いわば歌謡界のレジェンドだ。

 女性ふたりは、ヴォーカルユニット『MAXLUX』。売野雅勇がオーディションを重ねて選りすぐり、プロデュースしている歌姫たちだ。(右・ALECIAアリシア/左・LANAラーナ)。売野が彼女たちを選んだ基準は〝歌がうまいこと、キレイなこと、性格が良いこと〟。

 本当は3人組なのだけれど、もうひとりのメンバーであるオリガは、現在ビザのためロシアに帰国中、今回は残念ながら欠席だ。

 折しも売野は、作詞家生活35周年。昨年11月にはMAXLUXによるトリビュートアルバム『砂の果実・fujiyama Paradise Tribute』を発売した。

『ジュリアに傷心(ハートブレイク)』とか『め組のひと』とか『夏のクラクション』とか、80年代の名曲がロシア娘たちの美しいハーモニーで歌われると、懐かしいのに新鮮で、今さらのように胸にキュンキュン迫ってくる。まさしくこれぞ、王道ポップス!

 今週のYEOは、売野雅勇とMAXLUXの物語。

 日本とロシアのエンタテイメントが合体して、いつか世界制覇しちゃうかも、という夢のあるお話を、金曜日まで連日更新してお伝えします!

  • 出演:売野雅勇(うりの まさお)

    1951年生まれ。コピーライターを経て81年作詞家としての活動をスタート。82年中森明菜『少女A』のヒットにより作詞活動に専念。多くの作品を生み出し、80年代アイドルブームの一翼を担った。90年代は矢沢永吉、SMAP、森進一まで幅広く作品を提供。主な作品に郷ひろみ『2億4千万の瞳』、ラッツ&スター『め組の人』、チェッカーズ『涙のリクエスト』、稲垣潤一『夏のクラクション』、荻野目洋子『六本木純情派』、矢沢永吉『SOMEBODY‘S NIGHT』、坂本龍一『美貌の青空』、中谷美紀『砂の果実』など。90年代以降は映画・演劇にも活動の場を広げている。
    近著に『砂の果実 80年代歌謡曲黄金時代疾走の日々』(朝日新聞出版刊)がある。
    作詞家活動35周年を記念して、売野雅勇作詞活動35周年記念CD-BOX『Masterpieces~PURE GOLD POPS~売野雅勇作品集「天国より野蛮」』(ポニーキャニオン)を発表した。

    MAXLUX

    売野雅勇プロデュースによる、美貌かつ実力派のロシア娘3人からなるヴォーカルユニット。TVの外国人カラオケ大会で2位になったアリシア、ロシアでデュオとして活躍していたラーナ、オスロでジャズ歌手として活躍していたオリガの3人。2012年10月~2013年3月『サタデー・ナイト・ライブJapan』のレギュラーをつとめたのをきっかけに本格的活動を開始した。

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/