#4 内側から強い人に
美しき唄者 上間綾乃
- Magazine ID: 3170
- Posted: 2016.04.28

メジャーデビューのきっかけは、たまたまネットにアップされた彼女のライブ映像が、レコード会社のプロデューサーの目に止まったことだった。
「でも、最初はメジャーデビューしたいとは思っていなかったんです。インディーズでも、お客さんが喜んでくれて、それでご飯が食べられればいいと思っていました。そのプロデューサーがライブに来てくれても、名刺だけもらって、気のない返事をしたりして(笑)でも、何度もプロデューサーと話をするうちに、一緒にチームを組めば、一人でも多くの方に歌を届けられるかもしれないと 想い、メジャーデビューする事になりました」
デビューまで5年かかっている。根はかなり頑固、なのかもしれない。
「私のおばあちゃん、強いんです、内に秘めているものが。まだ私が子供だったときに〝戦争の頃、大変だった?〟って聞いたことがあるんですけど、おばあちゃんは戦争の話を、一切しなかった。『あんたたち若い人は、そんなこと考えなくていい。前だけ向いて生きなさい』って、そのときの目の奥の強さを、鮮明に覚えています。それまで笑っていたのにガラッと表情が変わって、すごく強い目をしていた。そういう強さを見ていて、私もこういうふうに、内側から強い人になりたいと思ったんです。私なんかまだまだ、ですけど(笑)」
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出演:上間綾乃(うえま あやの)
沖縄県生まれ。7歳から唄三線を習い始め、19歳で琉球國民謡協会の教師免許を取得。沖縄民謡で培った声をベースに、深い表現力と圧倒的なステージで、全国各地でライブを中心に活動。2012年アルバム『唄者』でメジャーデビューを果たした。翌13年シングル『ソランジュ』を発売、7月FUJI ROCK FESTIVAL`13に初出場、9月セカンドアルバム『ニライカナイ』をリリース。14年サードアルバム『はじめての海』を発表。
オフィシャルサイト http://columbia.jp/uemaayano/
ヘアメイク:西田裕美子(Manoa)
https://www.facebook.com/yumikonishida.manoa/?fref=ts
取材/文:岡本麻佑
国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://keitahaginiwa.com/