#5「幸せについて」
脚本家 北川 悦吏子
- Magazine ID: 2581
- Posted: 2015.09.11
「幸せについて」
この前、Tちゃん、幸せについて書いてたよね。手紙で。
人それぞれに、幸せな場所がある、といいと思う。
でも、どんな場所にいたって、ここではない、これは違う、もっと、とも思いそう。
でも、私は「書くこと」の中に、それがあるかなあ、と思っています。
自分の場合は。
幸せな場所、というよりは、本来いる場所、という感じなんだけど。
美味しいものを食べなくてもいい。
奇麗な服を着なくてもいい。
でも、ホン(脚本)だけは、書いていたい、なんて思いました。
10月には、新作のスペシャルドラマもオンエアされます。
岐阜を舞台にした月シリーズ。3本目。「三つの月」といいます。
今度は、白川郷が舞台です。
お父さんに、「美濃太田で書かんかね」、と言われるけれど
美濃太田は、ちょっとね(笑)。
絵にならないし
そして、恥ずかしいのよね、私としては。本当に自分が生まれ育った場所で書くってのは、なんかこう、自意識が邪魔します。
そんな父も、91です。
暇を見つけて、帰ろうと思ってるので
その時は、きっと、Tちゃんに会いたいです。
元気でね。
私も、なんとか、がんばります。
また、ね。
悦吏子。
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出演・文:北川 悦吏子(きたがわ えりこ)
1961年12月24日、岐阜県生まれ。
テレビの世界で数々の話題作を放ち続け、ラブストーリーのスタンダードを作ったとも言える脚本家。代表作に、「愛していると言ってくれ」「ロングバケーション」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など。2008年以降は、映画の世界にも進出し、岩井俊二プロデュースの元、映画監督デビューを果たす。脚本監督作品に「ハルフウェイ」「新しい靴を買わなくちゃ」。エッセイや作詩の分野でも活躍する。Twitter http://twitter.com/halu1224
オフィシャルブログ「でんごんばん」 http://ameblo.jp/eriko-kitagawa/
「恋をしていた。」(ディスカバー21)
初めての写真詩集が大好評発売中。
試し読みできます→http://www.d21.co.jp/feature/koi_o_siteita「三つの月」
脚本を手掛けた最新作(出演・原田知世 谷原章介 八千草薫 ほか)が10月3日(土)14時よりTBS系全国ネットでOA。
オフィシャルサイト http://hicbc.com/tv/3tsuki/撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/