女優としての自分を〝黙っていると真面目な良い子に見えるけど、内面はガサガサしてるところもあって〟と宝積さん。人間の弱さや愚かさを垣間見せる、ちょっとクセのある役を演じるのが楽しいという。8年前から演劇ユニット「カニクラ」を結成するなど演劇に意欲的に取り組んできたが、20周年を迎える今年は年末に、舞台をひとりでプロデュースすることにした。

「この10年来、やりたいものがあるんです。私の兄の、実話です。ある日突然交通事故に遭って、片脚が不自由になったんですけど、そのときに私が感じた無力感とか、医療に対して感じた理不尽な思いとか。自分で書いた原案を、今プロの脚本の方に直していただいています。兄は底抜けに明るいから、内容は前向きなんですけど、今の私はスタッフとかキャストとか劇場をどうするかで、もう大変! 心が挫折しそうで脳みそが停止状態で、毎日がいっぱいいっぱいです(笑)」

 〝大変!〟といいながら、なんだかとても、楽しそう。

「これから始まる40代に、期待感満載なんです。今までよりもっと自由になれるような気がして。この年齢になったからこそできる役に巡り会って、輝きたいですね」

  • 出演:宝積有香(ほうしゃく ゆか)

    1975年7月6日生まれ。北海道出身。北海道でモデルやローカル番組などに出演後、1995年に上京して女優・タレントとして活動開始。BS-TBSの『ケータイ刑事 銭形シリーズ』では〝○○クィーン〟と肩書きがつく役で出演、一部ファンには〝クィーンさま〟と呼ばれている。ドラマ、舞台、映画、CMなどで幅広く活躍。水に関心を持ち、アクアマエストロという資格を得て、フェイスブックや各メディアで水に関する啓蒙活動を続けている。

    オフィシャルブログ http://stblog.stardust-web.net/hoshakuyuka/

    舞台『前向きな人達』(仮題)

    12月6日~13日 情報公開は順次オフィシャルサイトにて公開予定。
    オフィシャルサイト http://official.stardust.co.jp/houshaku/index2.html

    ヘアメイク:上田忍 (S☆mode)

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『BAILA』『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/