このふたりは「自由惑星同盟」のヤン・ウェンリー提督と「銀河帝国」を統治するラインハルト・フォン・ローエングラム公。を、演じる河村隆一さんと間宮祥太朗さん。6月10日から始まる舞台『銀河英雄伝説』の稽古時間の合間に、仲良くじゃれ合っております。
『銀河英雄伝説』はもともと、田中芳樹原作の大長編ベストセラー作品。コミックになり、アニメーション化され、さらに2011年からは舞台化されて、今までに全10作品を上演。累計15万人を動員してきたとか。今回は河村さんが号令をかけて実現した、特別公演だ。

 1500年後の未来、宇宙に進出した人類が「銀河帝国」と「自由惑星同盟」に分かれて戦い続ける壮大な物語の、ふたりは言わば、2トップ。

河村 僕が演じるヤン・ウェンリーは庶民の出で、歴史を勉強するために、金が無いからやむなく士官学校に行き、そのまま仕方なく軍人になってしまった男です。頭の回転が速い優秀な戦略家で、歴史上の偉人で例えるなら『三国志』に出てくる諸葛孔明でしょうね。

間宮 一方ラインハルトは下級貴族からのし上がって政権を奪取し、ローエングラム王朝を作ってしまう男です。

河村 信長、だよね。天才的で、時代を変えてしまう男だもの。

間宮 ラインハルトは、本当はヤンのこと好きなんですよ。憧れて、追い求めていた。今回はそのヤンとようやく対面できて、すごくうれしいんだけど、ヤンは〝暖簾に腕押し〟というか、反応がイマイチで、すごく切ないです(笑)。

河村 この作品が素晴らしいのは、何が正しいのか、すごく考えさせられるという点です。ヤンだって本当はラインハルトが名君だってわかっているのに、素直に手を握り合うことができない。そのへん、すごく歯がゆいところがあるんです、ヤンには。トラウマがあったり事情があったり過去の軋轢を忘れられなかったりして・・・・。でも実際、世の中ってこうやって動いているのかも知れない。ちょっとした行き違いで対話ができないことで、にらみ合ってしまう。ふり上げた拳を下ろせなくなる。引くに引けなくなる。現実にそういう未来がこないように、この作品を是非みなさんにも見ていただきたいですね。

『銀河英雄伝説 星々の軌跡』

2015年6月10日(水)~21日(日)全16公演
Zeppブルーシアター六本木(東京都港区六本木5丁目11-12)
全席指定 ¥10800 問い合わせ サンライズプロモーション東京0570-00-3337
オフィシャルサイト http://www.gineiden.jp/kiseki

  • 出演:河村隆一(かわむら りゅういち)

    1970年5月20日生まれ。1992年、LUNA SEAのヴォーカリストとしてデビュー。1997年バンド活動休止期間中にソロ活動をスタート。ミュージシャン以外に俳優、小説家などで活躍。

    オフィシャルサイト http://www.kawamura-fc.com/

    出演:間宮祥太朗(まみや しょうたろう)

    1993年6月11日生まれ。2008年俳優デビューし、弱冠16歳で長塚圭史演出の舞台に抜擢される。以後、テレビドラマ、舞台などで活躍中。毎週土曜日22時~放送中の『ちゃんぽん食べたか』(NHK総合)に出演中。

    オフィシャルサイト http://www.tristone.co.jp/actors/mamiya/

    ヘアメイク:今野富紀子(河村隆一)、三宅茜(間宮祥太郎)

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『BAILA』『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/