悩んだとき、どうする? 若い女性なら、占いに行く人、多いよね。〝あなたはこういう人だから、こうすれば大丈夫(だと思いますよ~)〟って励ましてくれるのだから。
ま、明確な根拠はない、にしても。

「占いに行くほうが、楽でしょうね。〝あなたはこういう人です〟って、くくってくれるから。限定してもらったほうが、実は人間、楽なんですよ。でもカウンセリングは、くくりません。〝こうしたほうがいいですよ〟とも言わない。だってそれは私の方法だから。やれと言われてもできないでしょう? その人が持っている力をどういうふうに出して行くか、一緒に考えるのがカウンセリングなんです。
 でも人間、問題に突き当たると、そこでもう一歩成長していく。今向き合っている問題に対応できれば、次に同じような問題が起こったとき、自分で解決できるようになります。占いには多分、それはないと思います」

 さまざまなカウンセリングの仕事をしながら、60歳のとき、笈田さんは次の一歩を踏みだした。大学院に入ったのだ。

「今しかない、と思って受験しました。ちょうどその頃、父親の具合が悪くなったので実家に戻り、3食作って食べさせながら、片道2時間かけて通学。しかもカウンセリングの仕事も続けていたから、けっこうシンドかった(笑)。まわりの院生は20代前半ばかりだし、教授も年下だし。でも知らないことを知るというのは、すごく楽しかったですね。2年通って、念願の臨床心理士の資格も取りました。人生、遅いってことはないのね。本気になってやれば、道は拓けるって思います」

  • 出演:笈田育子(おいだ いくこ)

    中山ニナという名でDJアシスタント、司会、モデルとして活動の
    後、40代から心理カウンセラーに。目白大学大学院心理学研究科臨床心理学専攻修
    了。臨床心理士。日本カウンセリング学会認定カウンセラー。カウンセリング教育、
    講演、カウンセリングを中心に各地で活動中。主な活動は、目白大学心理カウンセリ
    ングセンター相談員をはじめ、『NPO CESC カウンセリング教育サポートセ
    ンター』、看護専門学校で人間関係論の講義、地方自治体の女性の悩み相談など。

    撮影協力

    『NPO法人 カウンセリング教育サポートセンター(CESC)』
    東京都千代田区神田神保町1-34 風間ビル3階
    http://www.npo-cesc.net

  • 取材/文:岡本麻佑

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/