「美しすぎる銅版画家」というキャッチフレーズはもういらないのかもしれない。YOUR EYES ONLY に出演してくれた小松美羽のその後の八面六臂の活躍は、もはやあまりにも多くの人の知るところとなっている。

 まず故郷の長野県・坂城町で個展を成功させた彼女は、その地の特命大使に任命された。

 さらにカローラプレゼンツ ニッポンコレカラプロジェクトの長野県代表にも選ばれた。これはトヨタ自動車が各地のテレビ局とコラボし、これからの日本を代表する人たちを応援していこうという企画だ。同サイトで彼女の動画はすでに13万アクセス以上になっている。

 ある地元の番組で、長野の善光寺で出会った秘仏に涙ぐむ彼女の姿が強く心に残る。

「ご本尊は常に人の心に寄り添っている。私も人の心を理解する画家でいないといけないと思います」

 けなげにそう語る彼女は、常に対象からエネルギーを吸収し、大きくなっていく。日本美術の原点とも言える伝統工芸の世界からも注目を浴びるようになった。浴衣や振り袖など、和服の絵を描く仕事が始まり、博多の織元、千年工房とのコラボも決まっている。

  • 出演:小松美羽

    1984年11月29日、長野県生まれ。趣味は狛犬研究、漫画や小説の創作、なぎなた(北信越3位)、水泳と幅広い。女子美術大学短期大学部卒。2004年度 女子美術大学 優秀作品賞、日本版画協会版画展 入選。2012年5月~7月長野県坂城町鉄の展示館で画家・小松美羽 ふるさと坂城を描く「神ねずみと唐ねこさま」を開催。その後、坂城町特命大使に選ばれる。ニッポンコレカラプロジェクトの長野県代表でもある。
    http://www.corolla-korekara.com/nagano/
    http://www.miwa-komatsu.com

  • 取材・文:森 綾

    大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1500人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には『マルイチ』(マガジンハウス)、『キティの涙』(集英社)(台湾版は『KITTY的眼涙』布克文化)など、女性の生き方についてのノンフィクション、エッセイが多い。タレント本のプロデュースも多く、ゲッターズ飯田の『ボーダーを着る女は95%モテない』『チョココロネが好きな女は95%エロい』(マガジンハウス)がヒット中。
    ブログ「森綾のおとなあやや日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810

撮影:萩庭桂太