そして今年4月、法人会社「a.ladonna.」を設立して再始動。
「ここ2年ほど、経営の勉強をしていました。そしてどのビジネスも、世の中やみんなのお役に立てるものが商品であり、〝ありがとう〟が利益なのだと改めて学びました。それが背中を押してくれたんです。それまでは〈利益〉とか〈お金〉という言葉に苦手意識があったのですが、考え方ひとつ、なんですね。私の根っこには〝ウィンウィン〟〝オールウィン〟〝三方よし〟という言葉があるんです。三方、つまり作る人、買う人、売る人、みんなが幸せになれる。そんなビジネスがしたいんです」
 今取りかかっているのは、身体障がい者の人たちにも着てもらえるデザイン。
「おしゃれに興味があって、ある程度自分で服を着られる人に向けて作っています。ユニバーサルデザインというものもありますけど、おしゃれしたい人には物足りない。ふつうの服でもここがこういうふうになっていれば自分で着られる、このファスナーの持ち手が小判型になっていれば着やすくなる、などなど、そういう声はとても多いんです」
 もちろん、加藤千晶オリジナルのデザインも、展開中だ。
「20代のころは、こういうふうに着なければならない、という、コルセットみたいな服が好きでしたし、デザインしていました。でも今はちょっと力を抜いて、80%くらいの服を作っています。ユニセックスでサイズフリー、年齢制限もない。複雑ではなくてシンプルで、自分の創意工夫でどんな着方もできる。着る人の体が入って初めて100%になるような、そんな服をこれからも作っていきます」
 ファッション業界に矛盾を感じて、自分ひとりでできる仕事を、と活動を縮小したわけではない。より多くの人が豊かになる仕組みを作るため、一から経営を学び、もっと大きなスケールの夢をかなえたいと、加藤千晶は考えている。
「私のミッションは、「a.ladonna.」をエシカルファッションブランドとして、フェアトレード版UNIQLO規模に育てることです。88歳で現役を引退するまで、走り続けます!」

  • 出演 : 加藤千晶 かとう ちあき

    服飾作家  1978年生まれ、三重県四日市市出身。バンタンデザイン研究所を卒業後、アパレルデザイナーの経験を約10年積み、2007年フリーランスになる。2009年デザインオフィス「a.ladonna.」設立。服だけにとらわれないさまざまなジャンルとコラボレーションしながら作品やイベントを創り出している。アーティストのステージ衣装やウエディングドレスのオーダーメイド、衣装のアレンジ、リメイクも多数手がけている。  
    ホームページ a.ladonna http://a-ladonna.com/

    “a.ladonna.-sale” SHOP http://aladonna.fashionstore.jp

    “a.ladonna.-rental” SHOP http://aladonnarent.thebase.in

    バリアフリープロジェクト“a.ladonna.+”
    協賛・協力・後援、募集中
    お問合せはinfo@a-ladonna.comまで

    撮影取材協力 (株)江戸ヴァンス 

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/