実は弓削さん、20年ほど前には〝V.I.P高校生〟と呼ばれるカリスマ読者モデルだった。高校生をフューチャーした雑誌が何十万部も売れていたその時代、『東京ストリートニュース』という雑誌の誌面を飾っていたという。弓削さんの人気はすさまじく、通っていた男子校の文化祭には、全国から1万人の女子高生が押し寄せたとか。

「その頃から自分でもわかっていました、〝チヤホヤされるのは今だけだな〟って。でもその後大学に行きながらバイト感覚で芸能事務所に入って、ドラマや舞台に挑戦してみたら、演技もなにもできない自分がいたんです。けっこう悔しくて、そこでハマリました。何もしないでもチヤホヤされる時期が長かった分、どんなに頑張っても誰も評価してくれない状況が面白いというか、妙に心地良いというか、俄然やる気が出てきた(笑)」

 以来、ストイックに役者稼業を続けてきたけど、1年半前に結婚。今や、「趣味は?」と聞くと「奧さんと遊ぶこと」と答えるほどの、愛妻家だ。

「早く子どもが欲しいと思うんですけど、女性って子どもを持つと、優先順位が変わるっていうじゃないですか。ダンナより子どもが大事になるって。それはイヤなんですよね」

 悪役で仮面ライダーでフツウ人でカリスマ高校生で奥様LOVE。こういうの、一筋縄ではくくれないっていうんでしょうね!

 

  • 出演:弓削智久(ゆげ ともひさ)

    1980年5月25日生まれ。東京都出身。身長186㎝。『仮面ライダー龍騎』で注目を集め、映画、ドラマ、舞台で活躍。最近の出演作はドラマ『ヤメゴク』(TBS)『アイムホーム』(テレビ朝日)『デスノート』(日本テレビ)映画『騒音』など。今後の予定としては舞台タクフェス第3弾『くちづけ』(脚本・演出:宅間孝行)2015年10月7日~18日サンシャイン劇場 以降、全国ツアー。映画『はなちゃんのみそ汁』12月公開予定 

    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/yuge-tomohisa/

    取材協力

    HOFF

    http://hoff-restaurant.com/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://www.haginiwa.com/