笑わない子どもがくびれるまで
美山加恋
- Magazine ID: 1317
- Posted: 2013.09.12
加恋ちゃんはこのドラマ『山田くんと7人の魔女』で、第5話でもキスシーンを演じ、初水着姿も披露した。
実は顔つきは幼いけど、とってもくびれているんである。
「3歳からフラダンスをやっているんです。ダンスが大好きなんです」
このくびれだけで、子役なんて言葉は吹っ飛ぶ。
見た目だけじゃない。中身も少しずつ大人に向かっている。
「『IRIS ‐アイリス‐』に出演させてもらったのをきっかけに韓国語を勉強しています。現場のスタッフが日本語で話しかけてくれたのに、韓国語でお礼すら返せなかったから。今はハングルも読めますし、日常会話くらいはできます」
身も心も成長していく加恋ちゃん。初恋は幼稚園のとき、と言っていたが、芸能界という職場で大人を好きになったりしたことはないのだろうか。
「それはないですねえ。あまりにも子どもらしくしていたし。挨拶さえちゃんとしていれば、子どもらしくしていてよかったんです。撮影の時間が遅れていたら、待ち時間に“だるまさんが転んだ”をしましたけどね。『現場でふざけるなっ』と叱られたりはしましたけどね。でも現場の大人は仕事に厳しいけど優しく親のように接してくれました」
ふと、真面目な顔になった。
「私、笑わない子どもだったんです」
役柄も、薄幸な役が多かった。
「貧乏だったり、白血病で死ぬ役だったり。舞台で1カ月、白血病の女のコを演じたときは、しばらく気持ちを引きずってしまって辛かったですね」
でも今は、そんなじっと耐えるような役だけではなくなってきた。
学園ドラマの後は、映画『埼玉家族』では人を振り回す強い女のコも演じた。その存在感にはすでに大人の「演技派女優」の輪郭が見え始めている。
「いつか韓国映画にもちゃんと出てみたいです。毎日、スケジュールは朝に発表されるし、台本もすぐ変わるようなぶっつけ本番な感じだけど、そのスピード感が好き。怖いんですけど、そのスリルが『作っている』って感じなんです」
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出演:美山加恋
1996年東京生まれ。6歳から子役として活躍。関西テレビ『僕と彼女と彼女の生きる道』で脚光を浴び、最近では東海テレビ『鈴子の恋』、フジテレビ『高校入試』、映画『ももへの手紙』(声優)、舞台『神様の観覧車』など30以上の人気ドラマ、映画、舞台に出演。現在フジテレビ『山田くんと7人の魔女』でテレパシー能力をもつ大塚芽子役を熱演中。10月からスタートのNHKスペシャル時代劇『雲霧仁左衛門』、10月12日公開の映画『埼玉家族』に出演。
http://horipro.co.jp/talent/PF117/
公式ブログ http://ameblo.jp/karen-mi/entry-11599803306.html -
取材・文:森 綾
1964年大阪生まれ。ラジオDJ、スポーツニッポン文化部記者、FM802編成部を経て、92年に上京、フリーランスに。雑誌、新聞を中心に発表した2000人以上のインタビュー歴をもち、構成したタレント本多数。自著には女性の生き方をテーマにしたものが多く『キティの涙』(集英社)、『マルイチ』(マガジンハウス)、『大阪の女はえらい』(光文社知恵の森文庫)、映画『音楽人』の原作など。
ブログ『森綾のおとなあやや日記』 http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
撮影:萩庭桂太