レーサーに会うのは、初めて。そもそも、生でカーレースを見たこともない。
スイマセン、ド素人以下のインタビュアーです。
「あ、全然大丈夫です。かえって新鮮なんじゃないかな」
 爽やかな笑顔でそう答えてくれたのが今週のYEOの主人公、千代勝正。今最も注目を集めているレーシングドライバーだ。〈SUPER GT GT500クラス〉で闘っている。それって?
「ええと国内では、レース用にチューニングしたスポーツカーで闘うレースの中では、最高峰ですね。スーパーGTのGT500というクラスは子どもの頃から夢のカテゴリーだったんです。中学に上がった頃初めて観に行ったレースがスーパーGTで、そこで憧れて、レーサーになりたいと思ったんです」
 レーサーになるには、何をすればいいのか? 13歳のふつうの少年に、わかるはずもない。
「とにかくゲームばかりやっていました。当時『グランツーリスモ』っていうプレイステーションのゲームが出始めた頃で、それがすごいリアルなゲームだったんです。コントローラーでやるから実際のハンドルとは違うけど、コース取りとかアクセルとブレーキのタイミングとか、タイムを縮めるにはコーナーのどこでブレーキを踏んで、どうハンドル切るとか、やっぱ頭を使うじゃないですか。それで友だちと遊んでいると、誰にも負けなくて。自分、ちょっと才能あるんじゃないかと勘違いしちゃって、そこからです(笑)」
 ゲーム上手な男の子が実際に日本最高峰のレーサーになるまで、いったいどんな道を走り抜けてきたのか。今週のYEOは金曜日まで連日更新、このイケメンレーサー・千代勝正を追いかけます。

  • 出演 :千代勝正 ちよ かつまさ

    レーシングドライバー。1986年12月9日東京都生まれ。2002年、15歳でカートレースデビュー。2009年から全日本F3選手権Nクラスに出場。2011年シリーズチャンピオンとなる。2012年よりSUPER GT GT300クラスへ参戦。2014年渡欧、オーストラリアのバサースト12時間で日本人初優勝。同年、ヨーロッパで開催されたブランパン耐久シリーズでも日本人初のシリーズチャンピオンに輝く。2016年からSUPER GT GT500クラスへステップアップ。以後国内外のGTレースに参戦し、活躍している。

    インスタグラムhttps://www.instagram.com/chiyokatsumasa/

    公式サイト(FBとTwitter情報あり)http://chiyo-katsumasa.com/

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/