2月5日の17時45分、赤ちゃんが誕生した。3616グラム、大きくてパワフルな男の子だ。陣痛開始から16時間頑張って、その瞬間を迎えた。
「出産した瞬間の、あの感覚というか感動は、忘れられません。言葉には置き換えられない、その瞬間、シャンペンの栓を抜いたようにわーっと何かが噴き出して、同時に今まで味わったことのない感情が私の中を満たしてくれました。赤ちゃんを産んだのは私だけれど、私もその一瞬で生まれ変わらせてもらったような。新品の自分が一緒に生まれたような感覚です。はい、今まで味わったことのない幸福感、だと思います」

 大好きな太陽にあやかって、『陽』の字を赤ちゃんの名前に使ったという。
「ここ数年、いろんなことがありましたけど、すべてがこの瞬間のために必要だったのかな、と思います。以前の私は、先のことばかり考えて心配して、いつも何かが足りないと感じていて、手の中にある幸せを噛みしめることを知らなかった。他人の目ばかり気にして、他人のせいにして、どんな状況でも自分の気持ちひとつで幸せになれることに気付いていなかったんです。やっと私の準備ができたから、この子は生まれてきてくれたのかもしれません」

 最後に、不妊治療中の女性たちへ、彼女からのメッセージ&エールが。
「私には不妊治療はかなりつらいことで、涙したこともあったけどやらないで後悔するより、できることをやった方が良いと思ってがんばってきました。自分が納得するまでとことんやってみてください。」

  • 出演:蒲生麻由 がもう まゆ

    1982年3月16日生まれ。埼玉県出身。女性ファッション誌『プチセブン』『ViVi』の専属モデルとして活躍後、『仮面ライダー響鬼』をはじめ特撮シリーズで女優としての活動の場を広げ、その後、TBSの連続ドラマ『ハタチの恋人』、映画『少林少女』(2008) 『沈まぬ太陽』(2009)『サヨナライツカ』(2010)など、数々の映画、TVドラマや広告に出演。更にフルマラソンやトライアスロンにも挑戦してきたことでライフスタイルにも注目されてきた。
    ブログ http://ameblo.jp/mayu-gamo/

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/