物体としての人体
熊谷優花
- Magazine ID: 1107
- Posted: 2012.07.26
筋肉。骨。しなやかな皮膚。浮き出る血管。優花ちゃんが撮る裸はとても生々しいが、エロさはあまり感じない。
「人間の体はすごくきれいだと思うんです。男性は女性っぽく、女性は男性っぽく撮りたい。物体として体を撮ってみたいんです」
男性を撮りたい、というこだわりはなさそうだ。
「そうですねえ。男性だから、というのはないですね。それよりもパーツとか、モノとしての美しさというか。骨や筋肉の美しさですね、伝えたいのは」
ふうん。フェティシズムなのかなあ。難しいことはさておいて「彼氏はいますか」と聞くと、あっさり、はい、とうなずいた。
「男の人の許せないところは風俗へ行くことです。欲望をお金で処理するなんて、許せない。まだ浮気のほうがマシです」
へっ、逆じゃないの?
「いや、私は一般人と浮気してくれるほうがいいです。キャバクラはまだいいけど、彼氏がソープみたいなところへ行ったらもう別れます」
若い人にはいろんな考えがあるものである。
そういう人が男の人のマッチョな体を裸にして撮っているというのも興味深い。
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出演:熊谷優花
1988年、福岡生まれ。08年、香蘭女子短期大学被服学科に入学、染色を専攻するが、写真を志し、09年に日本写真映像専門学校に入学。APAアワード2011 社会法人日本広告写真家協会公募展 写真作品部門 学生賞など受賞歴多数。秋葉原のカフェで働きながら、東京で撮影活動中。
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取材・文:森 綾
1964年8月21日大阪市生まれ。スポニチ大阪文化部記者、FM802開局時の編成部員を経て、92年に上京後、現在に至るまで1200人以上の有名人のインタビューを手がける。自著には女性の生き方についてのノンフィクションが多い。『キティの涙』(集英社)の台湾版は『KITTY的眼涙』(布克文化)の書名で現在ベストセラー中。
http://blogs.yahoo.co.jp/dtjwy810
協力:ポートレート専科 http://portraitsenka.jp/
撮影:萩庭桂太