挑戦するのは、タンゴだけではない。もともとはバルトークとかプロコフィエフとかドビュッシーとかラベルとかベートーベンとかバッハとか、クラシックの本流も好きなのだけど、それだけじゃ飽き足らない。ロックバンドと共演したり、ジャズを弾いたり。そしてもちろん、タップダンスと融合したり。
「芸大の頃から、休み時間に廊下でジャジャジャーンって弾いて、『真智子ちゃん、それ何の曲?』『うん、めちゃめちゃ、即興』っていうような。そういう人はクラシックの世界では珍しいんですけど、私はもともと、ちょっとはみ出していたんです」
 ヴァイオリンを選んだのも、ふつうとは違う理由から。
「3歳からピアノをやっていて、10歳で初めてヴァイオリンに触ったんですけど、難しくてなかなかうまく弾けないから、逆にやる気が出てしまったんですね。他にも、私はもともとダンスが好きで、バレエを習っていたし、陸上でもすごい記録を出していた。小学校6年のときに、ピアノかバレエかヴァイオリンか陸上か、それとも勉強か、真剣に悩んで、一番得意じゃなかったヴァイオリンを選んだんです」
 つまり小澤真智子は、生まれながらのチャレンジャー。簡単にはできないことを前にすると、征服欲がむらむらとわき上がるらしい。
「なんかこう、アイデアが湧く限りは、チャレンジし続けたいんです!」

  • 出演 :小澤真智子  おざわ まちこ

    ニューヨーク在住のヴァオリニスト。東京藝術大学卒業後、ロンドン・ギルドホール音楽院にてアーティスト・ディプロマ、ニューヨーク・ジュリアード音楽院にて修士号を取得。タングルウッド、アスペンとはじめとする海外の音楽祭に奨学生として参加。卒業後、2004年から2006年までメキシコ・シナロア州立交響楽団第1コンサートマスターとして活躍。2002年アメリカ、アーティストインターナショナル主催コンクールで優勝。2011年初アルバム『URBAN TANGO TRIO』をリリース。2015年からワシントンDCのS&R財団アーティスト・イン・レジデンスとして活躍。2018年日経ミューズサロン、昭和女子大人見記念講堂、鎌倉芸術館などで「小澤真智子旅するヴァイオリン タンゴ&ビヨンド」公演を成功させた。

  • 公式ホームページ(FB ・YOUTUBE・インスタグラムほかリンクボタンあり) https://machiko-ozawa.squarespace.com/about-machikoozawa/

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/