エンベリトルとかデコマツゲとか、キラキラキラキラしたものだけが、MOEKOの作品ではない。彼女の会社『(株)MOEKOOSAWA』は、〝想いを形にする〟ためにある。
 その想いは、起業当時21歳「自分らしさを見つけたい」と枯渇していたMOEKOが名付けた「ハイミ」の名前が物語る。「自分との対峙=Hello to myself 」→「 Hi to me」→「HIME(ハイミ)」。「自分らしさを見つけたい」
という彼女の想いが、「スタジオ・ハイミ」というブランドと具現化したように。
 車椅子でも着れるオーダーメイドのウェディングドレスを作ったり、起業する若手やシニア世代のために、自信の経験を惜しみなくリーズナブルな料金で就学できる塾を開講したり、経済的理由で専門学校に通えない夢見る若者には、各々の環境でも夢の実現に可能な手段はなにか、中長期的プランを作って応援したり。
「あったらいいな」をカタチやサービスに具現化させることにとことん貪欲だ、
「多様性はあるべきだと思うし、多様性がないと世の中、個性というものを攻撃する排他的な社会でありつづけると思うから。世の中が拾えないところをウチの会社が拾って、いろいろな夢に対応できる事業形態にしています。なにかやりたくても無理だと諦めてしまうケースが多いこの社会の中で、その縛りをなんとかして解き放ちたい。だからロックな会社を作ろうと思っています。私は自分自身のやりたいことや想いを見つけるのに何年もかかりました。なにか想いを持つ事ってそれだけで素晴らしいことなのは私が1番憧れていたのでよくわかるんです。だからその想いが社会のしがらみで潰されないように、世の中は変えられなくても、自分の手に届く人たち、自分が守りたい、守ると決めた人たちの想いだけでも、大事に大事にしたいから」
 会社を大きくしようとか、お金を稼ごうとか、有名になろうとか。そういう次元では、MOEKOは生きていないようだ。
「私は人生、60歳まで下積みしようと思っているんです。成人式のときにそう考えたのを覚えています。クリエーターという職業柄、新しいスタイルを生み出しやすい環境にいさせてもらっています。だからこそ、既存文化や先人への尊敬や配慮を忘れず、秩序の中で、「世の中の不都合」に挑戦し続けなければならないと思っています。人としての品格を欠いては、アーティストもクソもない。アーティストは、生み出すものはもちろん、生きざまの背中を後世に見せる覚悟あってこそ。自分の生きざまにこだわるからこそ、だから会社を作るときも、人にお願いしないで自分で勉強して手続きしました。商標とかそういうものも、勉強したし、グラフィックデザイナーとしても経営も、全部独力で勉強してきたんです。シンドイこともツラいことも、全部自分で通りたい。叩かれないと、叩かれる人の気持ちがわからないから、誰かの役にたちたいって思いをカタチに実現するには、自分がいろいろ経験してないと何もできないから。シンドイところをあえて自分から見に行きたい。知らないこと、まだまだいっぱいあるしね」
 赤毛のMOEKO、ロックな女だ。

  • 出演 :MOEKOOSAWA おおさわ もえこ

    ヴィジュアル・クリエイター(デザイナー)。2005年11月オーストラリアでクリスタル装飾(デコ)アートブランド『HIME(ハイミ)since2005』を創設。2009年より『StudioHIME』と改名し、京都&東京を拠点にオーダーメイド贈答品制作専門店として展開。2012年、自社ブランド及び、自身のアーティスト活動の場をハリウッドへ移籍、2013年総合デザイン会社『株式会社MOEKOOSAWA』を創立。代表取締役に就任。2017年4月、東久邇宮記念賞受賞。

    HP http://himejapan.com/

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  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/