#1 マデリンになるために
若村麻由美
- Magazine ID: 1676
- Posted: 2014.09.22
「4年間伸ばしたロングヘアを、ばっさり切ることにしたんです」。
今回、YEOで女優の若村麻由美さんを取材することになったのは、このひとことがきっかけだった。
艶やかなロングヘアは女性の命。特に、長い髪をトレードマークにしている女優さんにとっては、何より大切なものに違いない。事実、どんな役を演ずるときでも、髪だけは「絶対にロングヘア」とこだわっている人も少なくない。
だが、若村さんはどこ吹く風だ。ウエスト近くまである髪を30㎝以上も切ることに決めたそう。いったいなぜ、思い切り良く髪を切ることに? ひとつの恋が終わったとか? もしくは、何か心境の変化があったのだろうか?
「いえいえ、プライベートな問題とはまったく関係ありません(笑)。もともと、私はショートからロングまで、そのときいただいた役柄に合わせてガラッとヘアスタイルを変えています。たまたまここ4年ほどずっとロングヘアでしたが、内心、ベリーショートにしたいと思っていたくらい。なので、今回、髪を切ることに関しても、まったく抵抗はありません。むしろ、ちょっとワクワクしてますね」
では、なぜ今、短くすることに決めたのか。それは10月8日から幕を開ける舞台『ブレス・ オブ・ ライフ~女の肖像~』に出演するためだ。この作品は1人の男性を巡る対照的な2人の女性の物語。夫の元愛人・マデリンが暮らす家に、夫とは既に離婚した元妻のフランシスが訪れて、夜を徹して濃密な対話を繰り広げる。ロンドンで大ヒットしたこの二人芝居で、若村さんは元愛人のマデリン役を演ずる。
「台本を読んだとき、マデリンは絶対に髪の長い女性じゃない、とピンときました。“愛人”っていうと、なんとなくセクシーな女性をイメージしますけど、マデリンは言わば社会派。独身でずっと仕事をしてきた芯の強いアクティブな女性で、今、世の中で起こっている問題に常に目を向けている。このマデリンになるには、やっぱり髪を短くしなきゃと。マデリンという女性にできるだけ近づくために、今回、髪を切るんです」
ロングからショートへ。「ビフォアー、アフター」じゃないけれど、まさに髪を切るその瞬間にも立ち会わせていただくことに。さあ、明日は若村さんのお供で、一緒にヘアサロンに出掛けよう。
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若村麻由美
東京都生まれ。無名塾出身。NHK連続テレビ小説『はっさい先生』でヒロインとしてデビュー。エランドール新人賞を皮切りに、数々の賞を受賞。ドラマ『夜桜お染』『白い巨塔』『Wの悲劇』『鴨、京都へ行く。』『科捜研の女』、映画『蒼き狼~地果て海尽きるまで』『臨場』、舞台『リア王』『マクベス』『カリギュラ』『テレーズ・ラカン』『頭痛肩こり樋口一葉』『鉈切り丸』ほか多数出演。
最新舞台『ブレス・オブ・ライフ』新国立劇場 10月8日(水)~10月26日(日)、兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール 11月1日(土)
クリスマス特別公演『未来創伝』語舞踊『書く女』京都・京都芸術劇場春秋座12月25日(水)
公式サイトhttp://www.tristone.co.jp/
公式ブログ http://syunca.at.webry.info/
『ブレス・オブ・ライフ』公式サイトhttp://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/141001_003729.htm
『未来創伝』公式サイトhttp://thinkplus.heteml.jp/miraisouden.com/
「原典・平家物語を聴く会」公式サイトhttp://www.heikemonogatari.jp/
「富士山クラブ」公式サイトhttp://www.fujisan.or.jp/ -
スタイリスト:岡のぞみ
アシスタント:日吉奈緒子
衣装協力:ブラウス レナ ランゲ ( アオイ 03-3239-0341 )
http://www.aoi-net.co.jp/brands/renalange/index.htmヘア:土屋雅之(Aio-N GINZA)
メイク:森下真奈美(Aio-N GINZA)
取材・文:内山靖子
ライター。成城大学文芸学部芸術学科卒。在学中よりフリーのライターとして執筆を開始。専門は人物インタビュー、書評、女性の生き方や健康に関するルポなど。現在は、『STORY』『HERS』(ともに光文社)、『婦人公論』(中央公論新社)などで執筆中。
撮影:萩庭桂太
1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
http://www.haginiwa.com/