最近、ハマっているのはヨガ。忙しい合間を縫って、クラスに通っているという。
「ヨガの語源、知ってます? ヨーガというのはもともと、馬や牛に器具を付けて動きをコントロールする、という意味らしいです。それが転じて今、馬や牛ではなく、自分自身の心や身体をつなぎ止めて、コントロールするものになったんですね。
 ふだん、慌ただしいじゃないですか、今の世の中。情報も多いし、気持ちがあっちに行ったり、こっちに向かったり。そういうバラバラになった気持ちを自分のセンターに持って来てくれる、そんな効果を実感してます。歌うときにもこう、芯が1本、すうっと通って、自分の想いをストレートに出せるんです。ヨガを始めてから、すごい精神統一できるようになりました」
 気持ちがシャンとするのは、着物も同じ。アメリカにいて、日本的なものを求める気持ちが強くなった頃、着物の良さを実感した。今もときどき和装をして、楽しむという。
 シンガー・ソングライターと、ゴスペル・クアイアの指導者と。ふたつの活動は今後ますます忙しくなりそうだ。
「ただ面白いことに、その2つがだんだんだんだん、1つになってきているんです。曲を作るとき、今までは自分ひとりで歌うこと前提で作っていたんですけど、最近はひとりの声じゃなく、いろんな人の声が合わさって作品が完成するイメージで作っている。面白い変化だなって、思っています。17歳でデビューした頃は音楽的技巧にはしったり、僕こんなことできるよ、みたいな小難しい曲を作っていたんですけど(笑)、今は、本質はここだよね、と。核になるメッセージをちゃんと伝えるために余計な装飾はいらない、と思っている。バランスが取れるようになったのかもしれません」
 山あり、谷あり、そして今。自分自身の輪郭がはっきりと見えてきた清貴の、これからが楽しみだ!

  • 出演 :清貴 きよたか

    宮城県仙台市出身。2000年、17歳でシングル『No No No』でデビュー。3rdシングル『The Only One』がTVドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』の主題歌に起用され、40万枚の大ヒット。2010年渡米。アメリカ最大のゴスペルフェスティバル『McDonald’s Gospel Fest2010』で日本人クワイアのソリストとして出場し、優勝。アポロシアター『ゴスペル ナイト』にスペシャルゲストとして招待される。2015年帰国。『TOKYO RAINBOW PRIDE 2015』で自身もLBGTのひとりであることを告白し、その想いを綴った『WE ARE ONE』を歌った。同曲はセクシャルマイノリティの人々の可視化を目指すプロジェクト『OUT IN JAPAN』公式テーマソングとなった。2016年よりフジテレビ系列パラスポーツ公式アーティストに任命され、各地のパラスポーツイベントで歌唱している。また2016年から自身の経験を生かしてクアイア(合唱団)を結成、日本各地で『SING FOR JOY』の活動を続けている。

    ホームページ http://g-glamour.com/kiyo/

  • 【新譜情報】
    『虹の向こうへ』
    配信は5月中から始まっているが、シングルCD 6月8日発売。直接手渡ししたいとの想いから、全国6カ所で開催中のSING FOR JOY、そしてライブ、イベント会場で限定発売される。本作は『OUT IN JAPAN』テーマソング。ジャケットは人気漫画家・きたがわ翔の書き下ろし。CD盤だけに岩城直也氏編曲のString Orchestra Ver.を収録している。

    https://linkco.re/S77RPH8N

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/