ちすんは女優。デビューしてからすでに10数年。映画『パッチギ!』やNHKの朝ドラ、だけじゃなく、いろいろな映画・ドラマ・舞台に出演しているから、「見たことある!」という人も多いはず。
 YEOには昨年8月、阿佐ヶ谷スパイダースの一員として、登場してくれた。その縁もあって今回はピンで、萩庭桂太のカメラの前に立ってくれたというわけ。
 インタビューしてみたら、出てくる出てくる、いろんな話。とはいえ、取材の現場ですっごく盛り上がっても、「この話、原稿にはNGね」なんていう女優サマも多いので、「書いてもいいの?」って聞いてみた。
「私的には全然OKです。事務所的にも、大丈夫なんじゃないですか? よしもとだし(笑)」と、太っ腹。そこで今週のYEOは、女優・ちすんのぶっちゃけ話。30代、実力も花もある30代の女優の素顔と本音を、金曜日まで連日更新しながら、お伝えします。
 で、まずはその、〈ちすん〉という芸名の由来から。
「高校生までずっと朝鮮学校に通っていて、小4から高3までずっと朝鮮舞踊ひと筋でやってきて、高校卒業と同時に朝鮮舞踊のプロの道へ、という話もあったんですけど、行きませんでした。日本の学校に行ってみたいな、という好奇心だけはあって、でも勉強嫌いだから短大に行きました。クラシックバレエもずっと習い事として続けていて、そのバレエ公演をたまたま見ていたのが、吉本興業関連の劇団の人だったんです。いろいろな分野の人を集めていたみたいで、『やってみませんか?』って言われて、将来のこと、何も考えていないときに言われたから、『やってみようかな』って、それだけだったんです」
 そこで舞台女優のノウハウを叩き込まれ、しばらくしてから、戦隊もののTVドラマのオーディションを受け、見事合格。それを機に上京した。その後、映画『パッチギ!』で沢尻エリカが演じたヒロインの親友役を熱演。女優・ちすんが誕生したのはこのタイミングだ。
「それまで本名の金智順(キム・ヂスン)でやっていたんですけど、そのときのマネジャーさんが、『これ、読めないよ』って。『名前考えようか』って言われたので、名字の金を外して、名前をひらがなにして濁点をとって、〈ちすん〉はどうかな、って。〈ち〉も〈す〉も〈ん〉も丸っこい感じで、いいんじゃないかなって思ってます」
 在日3世、自分が韓国籍であることについては?
「『在日のちすん、どう?』っていう、そこまでの気持ちはないです、正直。もともとそれほど意識していたわけでもないので。この名前を見て、『ああ、この子は在日であることに誇りを持っているんだな』って思う人もいるかもしれないけど、私は別に。どう思われてもいいやって」

  • 出演 :ちすん

    1982年11月3日生まれ、大阪府出身。2003年特撮番組『超星神グランセイザー』でドラマデビュー。2005年映画『パッチギ!』、NHK朝の連続テレビ小説『風のハルカ』に出演して注目を集めた。2017年には超新星のソンジェが主演した映画『Guest House』に出演。2018年劇団阿佐ヶ谷スパイダースにオーディションを経て新メンバーとして加入。
    よしもとクリエイティブエージェンシー所属

    ホームページ・ツィッターリンク有り https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=3099

    インスタグラムhttps://www.instagram.com/chisun11/?hl=ja

    阿佐ヶ谷スパイダースhttp://asagayaspiders.com/

  • YEOからお知らせ:YEO専用アプリ

    このYEOサイトにダイレクトにアクセスするためのスマホ・タブレット用の無料アプリです。
    とてもサクサク作動して、今まで以上に見やすくなります。ダウンロードしてください。
    iOS版 iOS

    Android版 Android

  •  

    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/