田中シェンは毎年3月、1年の目標を立てるという。ただ考えるだけじゃなく、大きな紙に書き出して、部屋の中、目に付くところに貼っておく。
「映画何本、CM何本、とか、具体的に書きます。本当に言霊ってすごくて、叶うんですよ、口に出したことは。周りの人に〝こういうことがしたいです〟って言っておくと、すぐにどうなるのものではないけれど、タイミングが合ったら、人は力になってくれる。で、少しずつ目標に近づけるんです。そしてその目標が達成できなかったら、反省します。自分には何が足りなかったのだろう? 何をしなかったんだろう? 方向性が違ったのかな? って」
 今彼女が目指しているのは、アジアで活躍する女優。英語も中国語も堪能な彼女にとって、それは遠い夢ではない。
「日本ではそれほど美人じゃないし、ちょっと天然ぽいキャラクターなのかなって思われがちですし、まだそれほどお仕事していないんですけど、今、海外のほうが需要が多いです。ショートフィルムとか、ロシアのドラマのまるまる1ストーリ-に起用していただきました。この見た目なので、海外の人からみると典型的なアジア女性、なのかもしれません。英語を話すときはもっと大人っぽく見られますし、中国語だともっと強い女性に見えるみたいです」
 今年の目標として書くことは、他にもある。
「自分の殻を破ること。嫌われる勇気を持つこと。アジア全体で活躍するために、海外のエージェントとも契約すること。あと、最近関心を持つようになったので、落語を見に行くこと、も(笑)」
 安定志向でOLを選び、そこからモデルに転身して、早4年。この先、どんな未来が田中シェンを待っているのだろう。
「この世界に飛びこんだのが遅かったので、なるべくたくさんの現場で経験を積んで、成長したいです。あと、もうひとつの目標は、自分を褒めること。何かできないことがあると、すごく自分を責めてしまうんです。多分理想が高いんですね。もうちょっと自分に甘くすることも覚えて、でもちゃんと、努力は続けて行きたいです」

  • 出演 :田中シェン  たなか しぇん

    モデル。鹿児島県出身。ジャンルを問わずあらゆるファッション誌に登場、またマクドナルド グランTV―CF、キシリクリスタル、花王ロリエスリムガードなど多くのCMに出演。MVや映画、ドラマなど女優として演技の仕事にも進出。またイラストも手がけ、アートディレクションなど、プロモーションの総合プロデュースもこなすアーティストとして活動中。

    ホームページ http://try-angle-2.com/Tanaka_Shen.html

    インスタグラムhttps://www.instagram.com/shen_tanaka/?hl=ja

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/