それにしても。小松美羽の外見と作品の、ギャップはすごい。華奢な体のどこから、この極彩色で絵の具たっぷりでダイナミックでパワフルでそのくせ緻密で繊細でしかもすごい迫力の作品が生まれてくるんだろう?
「作品を描く前に瞑想して、マントラを唱えて、頭の中に湧き上がってくるイメージをそのままキャンバスに写しています。今年1年で200点くらい、描いています」
 ってそれ、2日に1枚以上ってこと?
「1点ずつ描くわけじゃなくて、キャンバスを並べて10枚くらい、同時に描きます。こっちの絵の具が乾くのを待つうちにこっち、みたいな。15点同時に描いたこともありました。描いているものはすべて違って、本のページをめくるような感覚なので、ごっちゃになることはないです。その作品を前にするとその絵に没頭できるので、身体も心もぱっぱっと切り替えられている感じです」
 すごく体力使いそうだけど。
「30歳で自分の描くものが決まった。それは自分の役割がわかった、ということで、以来、自分の身体にも気を配るようになりました。ちゃんと毎日野菜を食べていますし、家ではふだん、納豆やお豆腐メインです。お酒もあまり飲まなくなったし。食生活を整えたら、寝覚めもよくなりました。あ、でも忙しくなると、アマゾンで大量購入したレッドブルを飲んでますね。プロデューサーの高橋さんが差し入れてくれるユンケルスターも」
 ところであのー。さっきから気になっていたんだけど、髪の毛にも手のひらにも指先にも、ところどころ白とか黒とか赤とか、絵の具がついてますよね。知ってました?
「あー、よく言われます。さっきまでキャンバスに向かっていたもので。赤い絵の具がべたっとついていたりすると、〝どうしたの? 転んだ? あ、違った!〟って(笑)」
 ついでに聞いちゃお。恋愛関係は、どうなってます?
「年間200枚描いてますから、ほとんど家にこもって描いてます。それも30歳頃から思っていることなんですけど、もし私に恋愛が必要なら、神様がそのタイミングでくださるのかなって(笑)。でも今世で必要ないのなら、私はそれでいい。愛犬の月もいますし。すべては天に任せます(笑)」

小松美羽の著書『世界のなかで自分の役割を見つけること』https://www.diamond.co.jp/book/9784478104521.html

  • 出演 :小松美羽  こまつ みわ

    1984年11月29日長野県坂城町出身。女子美術大学短期大学在学中に銅版画作品の制作を開始。20歳の頃の作品『四十九日』が高く評価される。近年はアクリル画、有田焼などに制作領域を拡大し、神獣などをテーマに精力的に創作に打ち込む。2014年庭園デザイナー石原和幸氏と共作でロンドン「チェルシーフラワーショー」へ有田焼の狛犬作品を出品、ゴールドメダルを受賞した庭園「江戸の庭」の守護神として置かれた「天地の守護獣」が大英博物館へ収蔵された。ワールドトレード・センター(ニューヨーク)への常設展示、台湾・香港での個展、シンガポール、ダラスでライブ・ペイントを行うなど、多方面で国際的に活躍している。

  • (株)風土 HP・http://miwa-komatsu.jp/

  •  【画集】
    4年振り2冊目の画集が発売。12月5日より日本橋三越で先行販売。12月17日より書店、アマゾンで発売予定。現在予約可能 http://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/000000001537/

    【展覧会情報】
    『小松美羽展 大和力を、世界へ』
    2018年12月5日(水)~16日(日)午前10時~午後7時 ※最終日は午後6時閉場 
    日本橋三越本店 新館7階 催物会場
    小松美羽サイン会/12月8日(土)9日(日)15日(土)16日(日)各日午前11時~(限定100名)会場内にて。

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/