ポーンと産まれてきたベイビーも、今年10歳、小学校5年生になった。
「出産後も仕事はしていたんですけど、娘が幼稚園に入る頃から、仕事は少しセーブしてきました。娘と向き合う時間を大切にしようと思ったんです。役柄も、子どもが小さいうちは、選ばせていただきました。犯人役とか悪女役は、娘が学校で〝お前のかーちゃん、昨日ドラマで悪いことしてたぞ〟なんて言われるとかわいそうなので、遠慮していました」
 この数年はみっちりと、母親に徹していたらしい。
「母親であり、主婦です。毎日自転車でスーパーマーケットに行って、料理して洗濯して。当たり前のことですけどね(笑)」
 その娘も成長して、今では母親が女優であることを応援してくれるようになった。
「TVに写る私をみて、〝ママ、可愛い!〟って言ってくれます。先日は舞台を見て〝面白かった!〟と喜んでくれました。〝今日はママ、仕事で出かけるから〟と言うと、〝なんの仕事?〟って厳しいチェックが入ります。これこれしかじか、と説明すると、〝オンエア楽しみだね〟って」
 そんなことを話すときの櫻井さんは、すっかりママの顔。
「でも、どうしてでしょう? 母親役が回ってこないんです。こんなに毎日、主婦であり母親なのに、仕事では何故か独身で働く女性の役ばかり。同年代の独身の女優さんが母親役をやっているのを横目で見ながら、どうして私に回ってこないのかな? って(笑)」

  • 出演 :櫻井淳子  さくらい あつこ

    1973年生まれ。埼玉県出身。1991年18歳で女優デビュー。「ショムニ」「おみやさん」など数々の人気ドラマに出演。1993年連続ドラマ初主演の『誘惑の夏』で第31回ゴールデン・アロー賞放送新人賞・最優秀新人賞。2006年主演ドラマ『美しい罠』で東海テレビスポーツ芸能選奨。2003年結婚。2007年第一子を出産。

    オフィシャルHP http://www.is-field.com/management/sakuraiatsuko.html

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    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/