2週間ほど前、園田は高座に座って落語を演じていた。
とはいっても、そこは都内のある小学校の一室。素人が集まって三遊亭圓窓師匠に落語を学ぶサークルがあり、その発表会があったのだ。
「去年の春から落語を習い始めたんです。去年の9月に初めて発表会に出て、そのときは小咄を5つくらいやりました。今回2度目で、やったのは『まんじゅうこわい』。すべりだしはスムーズだったんですけど、中盤で頭が真っ白になったんです。言葉が出てこなくて・・・・。でもまあなんとか立ち直って、最後までやり通しました(笑)」
実際、落語好きな女性は確実に増えている。落語会に行くと、女性のひとり客をよく目にする。でもね、〈聞く〉と〈やる〉とでは、大違い。
「そうなんです、まさか自分が落語をやるなんて、いえ、できるなんて思ってもみませんでした。でも、落語って面白いし、落語とは縁もあるような、助けられたような気もして」
 実は園田は、バツイチ。24歳で結婚し、翌年長男を出産、30代半ばで離婚した。その結婚相手の父親が、今は亡き桂小金治。
 桂小金治といえば、50代以上の人なら、「ああ、あの人!」と思い出すはず。かつて映画やドラマで活躍し、ワイドショーの司会で人気者に。〝怒りの小金治〟〝泣きの小金治〟として有名だった落語家だ。義父として、ずいぶん可愛がってもらったという。
「結婚したばかりの頃、義父の落語を生で聞いて、びっくりしたんです。なんなんだ、これは! って。たったひとりで話しているだけなのに、何人もいろんな人が登場して、その情景が生き生きと浮かんで、すごいものだなって。以来、いろいろ落語を聞くようになりました」
 さらに、落語が好きになる出来事があったのだが・・・・。明日に続く!

  • 出演 :園田マイコ  そのだ まいこ

    1969年生まれ、高校を卒業後、モデルとして活動を開始。クロエ、FENDI、ジャンポールノットなど数多くの有名ブランドのファッションショーに出演。光文社「HERS」マガジンハウス「クロワッサン」他多数のファッション誌、CM、広告、TVなどで幅広く活躍してきた。

  • YEOからお知らせ:YEO専用アプリ

    このYEOサイトにダイレクトにアクセスするためのスマホ・タブレット用の無料アプリです。
    とてもサクサク作動して、今まで以上に見やすくなります。ダウンロードしてください。
    iOS版 iOS

    Android版 Android

  •  

    取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/