1月20日、東京・国分寺市にあるいずみホールで行われた『国分寺みらいコンサート』、トリを取ったのはヴィタリ・ユシュマノフ、今週のYEOの主人公だ。歌い始めるとその瞬間、豊潤でつややかなバリトンが、会場のすみずみまで広がっていく。ラフマニノフやチャイコフスキーのアリアを歌って、3曲目に歌ったのは日本歌曲の『椰子の実』。
 あれ? なんか、とても自然で、外国人が歌う日本歌曲には聞こえない。イントネーションも言葉の発音もニュアンスも、完璧!
「はい、僕は日本歌曲を歌うときは専門の先生にちゃんとチェックしてもらっています。ガイジンがカタコトで歌っているようには歌いたくないんです。日本歌曲には素晴らしい曲がたくさんあるので、レパートリーは30曲、いや40曲くらいあります」
 ブロンドでノーブルな顔立ち、どこぞの王子様みたいな風貌なのに、めっちゃ日本語が上手だ。聞けば、日本に住み始めて4年目。活動の拠点を日本に移して活動しているとか。
「音楽を始めたのも、日本に住み始めたのも、僕にはわかっていたことなんです。運命が教えてくれました。でもそれを実現するまでが、すごく大変でした」
 なんだかドラマを背負っている気配の、このイケメン。根掘り葉掘り聞き出して、YEOは金曜日まで連日更新します!

  • 出演 :ヴィタリ・ユシュマノフ

    サンクトペテルブルグ生まれ。マリンスキー劇場の若い声楽家のためのアカデミーで学ぶ。ライプツィヒのメンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学を卒業。2013年の秋以来度々来日し、各地で公演。2015年春より日本に拠点を移した。「ドン・カルロ」のロドリーゴ、「ドン・ジョバンニ」の主役でオペラに出演。2017年3月びわ湖ホールオペラ「ラインの黄金」ドンナーを演じ、5月には「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」にも出演。日本トスティ歌曲コンクール2015第一位及び特別賞、第14回東京音楽コンクール声楽部門第二位、第52回日伊声楽コンコルソ第一位及び最優秀歌曲賞受賞。今年3月には日本の歌曲を集めたCDをレコーディングする予定。
    ホームページ http://vitalyyushmanov.com/

    〈公演情報〉
    『ヴィタリ ロシアの魂を歌う』
    関西公演2018年3月14日(水)14:00開演(13:30開場)びわ湖ホール
    東京公演2018年3月15日(木)14:00開演(13:30開場)オペラシティリサイタルホール
    問い合わせ:株式会社ジョイフル・アーツ http://joyfularts.co.jp/

  • 歌劇『イオランタ』(演奏会形式/日本語字幕付)にエブン=ハキア役で出演
    6月12日(火)18:30開演 サントリーホール

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/