中河内雅貴も、ビリーの兄・トニーを演じる（藤岡正明とＷキャスト）。キレッキレのダンスが魅力のイケメン俳優で、人気も高い。もともとは、ダンサー志望。クラシックバレエとジャズダンスを極めるため、15歳から親元を離れ、日々黙々とレッスンに打ち込んでいたという。
「最初はアーティストの後ろで踊る、バックダンサーになりたかったんです。でもいざやってみたら、アーティストとの諸々の扱いの違いに〝なんで？！〟と。当たり前かもしれないけど、でももうちょっと配慮があっても良いのでは？て(笑)。じゃあどうしよう？　自分がセンターに立つしかない。でもどうやってセンターに立つのかわからないから、一個一個の仕事をしっかり頑張ってやってきて、気付けば今に至っているって感じです。」
　転機になったのは、20歳を過ぎた頃に出演した『テニスの王子様』。
「あの舞台のおかげでファンの方もたくさん応援してくださって。でも実力は追いついていないような気がしていました。ダンスは得意だけど、最初の頃は歌や芝居ができなくて、悔しくて。そこから頑張ったんです。自信がついたのはほんの最近、30過ぎてからですね。」
　Ｗキャストの藤岡正明とは、仲がいい。今まで何度も、いろいろな作品で彼とＷキャストになってきた、因縁の間柄だ。
「20代の頃に藤岡さんとＷキャストをやらせてもらったときには〝負けてたまるか！〟と思っていたんですけど、僕も大人になったんでしょうね(笑)。今は、そうじゃない、彼は彼だし俺は俺だし、勝ちも負けもないと思っています。藤岡さんは役を掘り下げて変化球投げるタイプですから、僕の方がきっとまっすぐなトニーになるんじゃないかな。」