で、小象がどんな歌を歌っているか、勝手に分析してみた。
 最近自身のオフィシャルサイトでまめに発表しているのが、小フォークシリーズ。
「なんかこう、小さい世界を歌ってます。自分を中心に半径2メートルで完結するような世界観です。例えば『まけてもらえませんか』なんて、一度は言ってみたい言葉なんですね、コンビニとかで(笑)」
『まけてもらえませんか』の他にも、『恋』とか『シルバー』とか、短いけれど名曲の数々。
そして、セレブシリーズ。『マイケルへの手紙』『ジャスティン』『ガガとググ』『トム・クルーズは今、何を考えているか』など、海外の有名人との交流、というか一方的な想いをテーマに歌い上げている。どの曲も、秀作揃いだ。
さらに、実話シリーズ。『スケートセンター』『俺がおばさんになっても』などなど、実人生で体験したささやかな事件を切々と歌う。聴き終わると、笑顔になっている。
「でも、コミックソングにはしたくないんです。コミックソングって1度笑ったらそれまでじゃないですか。何度も聴けて、それでもクスッと笑えるような歌にしたいんですよ」
 哀切なメロディ、共感を呼ぶ詞は、どれもほとんど小象自身の作品だ。
「自転車に乗っているとき、フレーズが浮かぶことが多いです。そのへん走っていて曲が浮かんで、ヴォイスレコーダーに吹き込んでおく。あとから、このメロディにはどんなワードがいいかなって、繋がっていくんです。気をつけているのは、あまり難しい言葉を使わないことですね。あとは同じ言葉を繰り返す。音楽だからこそできる、繰り返すことで意味がちょっとずつ変わっていくような、ね。メロディも、コードは簡単だし、コード進行もシンプルだし。定年間近のオジサンが、またギター弾きたくなって歌いたくなるって、あると思うんです。そういう人が歌いたくなるような、そんな曲、目指してますね」

  • 出演 : フォークシンガー小象  ふぉーくしんがーしょうぞう

    フォーク歌手  2000年より小林顕作(現・宇宙レコード)とフォークデュオ「羊(ひつじ)」を結成。その後ソロ活動を開始。BSフジ「宝島の地図」の〝小象さんの歌のコーナー〟でオリジナル曲を発表。その後ライブ活動を開始。アルバム『for LOVE,for SELF,for LIFE』を発表した。 現在、東京・ 浅草Zinc や世田谷区 経堂 さばのゆ などで不定期ライブ活動中。 
    オフィシャルウェブサイト  http://folksingersyozo.wixsite.com/heibonrecord

    撮影協力『JAZZ&BAR-Zinc-ASAKUSA』  http://music.geocities.jp/zinc_asakusa/

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  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/