そういえば近頃話題のチャラン・ポ・ランタンとガレシャンは、師弟関係にあるらしい。チャラン・ポ・ランタンは姉の小春がアコーディオン、妹のももがヴォーカルを担当する美人姉妹ユニット。大道芸で地力をつけ、今や国内外で評価が高まっている。昨年末の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役にたつ』のオープニングテーマなんかも担当していた。

「もともと僕のところに、アコーディオンを習いたいという子がいるので面倒を見てくれないかと人づてに頼まれたのですが、僕は人に教えていないから、しぶしぶ引き受けたんです。中学生の小春さんが『先生はどういう活動しているんですか?』って聞くからいろいろライブを教えて、その中のひとつがガレシャンだったんですよ。すると一緒に観に来たお母さんがガレシャンにハマってくれて、小学生だった妹のももちゃんの手を引いて3人で見に来るようになった。その姉妹が後々、チャラン・ポ・ランタンという名前でデビューしたんです。先に僕らを知っている人は、彼女たちを見ると〝ああ、これはガレシャンだな〟って。でも彼女たちは若いし可愛いし」(佐藤)

「陽の当たるところを歩き始めた(笑)。頑張って欲しいよね」(山田)

 ガレシャンのウイルスは才能のあるアーティストを介して、じわじわと広がっていくのかもしれない。ガレシャンは1度見ると病みつきになる、そんな噂もあるのだ。

「大衆芸能をやっているという自負はあるんです。けしてマニアックに奔っているつもりはないし、MCひとつとってもすごく開いているし。ふたりでメイクして音楽じゃないネタをやっているのは、まさしく大衆芸能ですよね。みなさんがお金を払って時間を割いて来て下さるのだから、その分楽しんでもらわないと、申し訳ないです」(山田)

「音楽的にはまったく必要のない、曲の合間の小芝居なんかも、そこに一生懸命になるというのがガレシャンの・・・・」(佐藤)

「業ですね」(山田)

「でも、そのどうでもいいことを思い切りやる、いい歳した男ふたりが思い切り遊ぶ、本気でやる姿が、面白いんだと思うんです」(佐藤)

「要はその、本質と装飾があって、装飾が面白いのは本質がしっかりしているから、なんです。自分でいうのも口幅ったいけど。だから装飾をとにかく真剣に」(山田)

「ごってごてにね」(佐藤)

「やるっていうのが、ガレシャンの醍醐味なんだと思います」(山田)

 いい歳したオジサンふたり、実は一流アーティストのふたりがガチでマジに面白がって作り上げるエンタテイメント。ガレージシャンソンショーの世界に、ぜひ、あなたも。

  • 出演:Garage Chanson Show(ガレージシャンソンショー)

    歌手・山田晃士とアコーディオン奏者・佐藤芳明のユニット。2001年に結成、2006年にいったん活動を停止したが2013年より活動を再開。2016年10月13日デビュー13年目を飾る3枚目のアルバム『13~treize(トレーズ)~』を発売した。リリースツアー第一弾を全国各地で展開、2017年1月13日(金)渋谷Mt.RAINER HALLがファイナルステージとなる。第二弾は3月中旬より下記参照。
    ライブ予約は http://fm.sekkaku.net/mail/1344315616/

    ●ニューアルバムリリースツアー

    『13~treize~』FINAL
    1/13(金)渋谷 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
    open18:00/start19:00
    
前売り¥4500/当日¥5000(全席自由・drink別)
    
問/PLEASURE PLEASURE 03-5459-5050
    e+でチケット発売中

    ●ガレージシャンソンショー13~treize~リリースツアー第二弾
春の演奏会『めばえ』

    3/16(木)名古屋 TOKUZO
    3/17(金)大阪 Vi-code
    3/18(土)松山 OWL
    3/19(日)福岡 ROSA ROSA
    3/20(月・祝)広島 ヲルガン座

    ●『外苑前の客人(まろうど)』

    3/28(火)南青山 MANDALA
    
客人:磯部舞子(ヴァイオリン)
    4/24(月)南青山 MANDALA
    客人:田島隆(タンバリン)

    山田晃士(やまだ こうし)

    ロックバンド『AROUGE』のヴォーカルとしてデビュー、1985年に脱退。1994年『ひまわり』(日本テレビ系ドラマ『横浜心中』主題歌)で歌手デビュー、20万枚を売り上げたがその1年後に活動を中断して渡仏。帰国後は多方面で活動を重ね、2007年『山田晃士&流浪の朝謡』をスタート。現在は『独り舞台』『ガレージシャンソンショー』など幅広く活動中。
    オフィシャルサイト【孤独中毒】http://www.koshiyamada.com/

    佐藤芳明(さとう よしあき)

    国立音楽大学在学中、独学でアコーディオンを始める。卒業後渡仏しアコーディニストDaniel Milleに師事。Pot Heads、佐藤鈴木田中など自身のリーダーバンドを持ちながら森山威男グループ、Salle Gaveau、ガレージシャンソンショー、ヨルダン・マルコフ・ブルガリア五重奏団などにも参加。国内外のライブ、レコーディング、舞台音楽などさまざまな現場で数多くの仕事をこなす。
    ライブ情報は http://www.geocities.jp/acc_sssaaatttooo/schedule.html

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/