長内映里香は今、映画やドラマなど、映像の仕事に挑んでいる。舞台で培って来た実力を発揮するため、新たなチャレンジの日々だ。

「定期的にワークショップに通って、自分の演技をブラッシュアップしています。ドラマの現場にいくと、やはり舞台の演劇とは勝手が違うんです。蜷川さんにはいつも『お前たちの台詞には意味がなさ過ぎる。もっと台詞に意味をつけて言え』と言われていたんですけど、ドラマの撮影で何気ない台詞を口にすると『ちょっと重いので、もっとさらっと言って下さい』『意味付きすぎなので、軽く、明るくお願いします』って最初の頃言われてしまったんです(笑)。今はなるべく力を抜くことを心がけて、フラットな気持ちで現場に入ることを意識しています」

 めざすのは、息の長い役者だ。

「生き残れる役者、生き残る役者になりたいです。第一線で活躍しつづける俳優は、人として魅力的ですよね。外見や演技力だけでなく、内側から滲み出てくる魅力があると思います。私は特別スタイルが良いわけでも、特別、綺麗、可愛いわけでもないので(笑)、だからこそ、見て下さる方が安心できるような、作品そのものを楽しめるような役者になりたい。映画やドラマで顔を覚えてもらい、舞台で多くの方に見てもらえるような役者になりたい。やっぱり舞台もやりたいので(笑)。それが今の目標です」

 自分の狭い世界に閉じこもらず、他人と自分を比べず、大きく深呼吸しながら、自分が一番やりたいことをやる。27歳の彼女が今、こんなに素敵な笑顔でいられる理由は、そこにある。

  • 出演:長内映里香(おさない えりか)

    1989年9月9日生まれ。兵庫県出身。2011年から2016年春まで『さいたまネクスト・シアター』に所属。蜷川幸雄演出作品に数多く出演してきた。ドラマ・CMなどで活躍中。アベニール所属。
    オフィシャルサイト http://avenir-dr.pw

    twitter https://twitter.com/osachaaan9

    instagram http://www.instagram.com/erika_osanai

    衣装協力:元町RUKA

    オフィシャルサイト http://ru-ka.com/access/

    ヘア&メイク:渡辺真由美(GON.)

    スタイリスト:BALENCIAKO

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/