赤の他人のひと言が、人生を変えてしまうことがある。長内映里香にも、そんな瞬間があった。

「大学で初めてできた友人がある日突然、『映里香ちゃんは女優に向いてる、女優になりなよ』って言い出したんです。『私には見る目があるから、絶対やったほうがいい!』って。そんなの絶対無理、と思ったんですけど、試しに養成所に入ってお芝居の勉強を始めたら、どんどん夢中になってしまって。気が付いたら毎日芝居のこと、与えられた役柄のことばかり考えている自分がいたんです」

 大学在学中に難関をくぐり抜けて劇団に入り、上京して、5年後に劇団を辞めて、今。

「今年9月に27歳の誕生日を迎えたんですけど、初めて前向きな気持ちで、歳をひとつとれたんです。20歳を過ぎてから、誕生日はいつも〝うわー、また歳をとるのイヤだな、どうするんだよ私?〟って落ち込んでいたのに。同世代で活躍している人たちを見ていると別次元でスゴイから〝私なにやってるんだろう?〟って暗くなっていたのに。今年の誕生日は不安よりも未来に向けてのワクワクがすごいんです。毎日楽しく過ごしています」

 今回のYEOの撮影中も、終始ニコニコ、キラキラしている。ハギニワ氏のカメラに向かって、さまざまな女を楽しそうに演じてくれた。

「最近、初対面の人に〝何歳?〟って聞かれて、〝あれ、何歳だっけ?〟って即答できないときがあるんです。不思議ですよね。26歳だった1年間にいろいろいろいろあったので、時の経つのが早すぎて、年齢なんか関係ないっていう感覚になっているのかな(笑)」

 いったい長内映里香に何が起こったのか? なんでこんなに幸せな顔をしているのか?
 その答えにはきっと、誰もがハッピーに生きるためのヒントが、隠れているに違いない。
 金曜日まで毎日更新。幸せになりたい人は、明日からの記事をお楽しみに!

  • 出演:長内映里香(おさない えりか)

    1989年9月9日生まれ。兵庫県出身。2011年から2016年春まで『さいたまネクスト・シアター』に所属。蜷川幸雄演出作品に数多く出演してきた。ドラマ・CMなどで活躍中。アベニール所属。
    オフィシャルサイト http://avenir-dr.pw

    twitter https://twitter.com/osachaaan9

    instagram http://www.instagram.com/erika_osanai

    衣装協力:元町RUKA

    オフィシャルサイト http://ru-ka.com/access/

    ヘア&メイク:渡辺真由美(GON.)

    スタイリスト:BALENCIAKO

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/