恋愛とか仕事のこととか結婚とか、女性が生きていく上でクリアしたい問題はたくさんある。中でも一番デリケートでシリアスな難問は、妊娠&出産問題。子どもを産むのか、産まないのか。産むとしたら誰との子を? いつ? どんなタイミングで? そして無事に妊娠&出産した後には、子育てという長期間にわたるプロジェクトが、もれなく付いてくる。

 子どもは授かり物だっていうし、計算してどうこうするものじゃない、という考え方もある。けれど人生を左右しかねない問題だもの、ある程度の覚悟がないと、母親になるのはそう簡単なことではなさそうだ。

 今週のYEOに登場してくれるのは、女優の吉沢梨絵さん。2016年1月、女優業をいったん休み、妊活をスタートした。間もなくめでたく妊娠したことがわかり、11月の出産予定を前に、YEOの取材を受けてくれたのだ。

「何年も前から子どもは欲しいと思っていましたが、女優という仕事柄もあり、妊娠するタイミングって、すごく難しいというのが実感としてありました。お仕事をいただければうれしいから、やりたくなりますし、それが続くといつまでたっても妊娠なんてできないし。でも今年9月に40歳の誕生日を迎えるので、これ以上は待っていられない。子どもを産むことが何よりも最優先だと思えたので、思い切って仕事を休むことにしたんです。とてもラッキーなことに、間もなく妊娠することができました」

 妊娠してみて、初めてわかったことがある。

「世の中には妊婦さんがたくさんいるんだなって(笑)。それは自分が妊娠しているから、同じような境遇の人が目に付くようになったんですね。同時に気が付いたのは、たとえお腹が大きい状態で電車に乗っていても、気付かれないことが多いということ。妊婦であることがわかる〈マタニティマーク〉をバッグにつけているんですけど、座っている人はみんなスマホに夢中で、立っている人のことなんか見ていないんです。今までの私も、そうだったのかもしれません。これからは私自身が、気が付いてあげられる人になろうって、自分の意識が変わりました」

 妊娠したからわかること、出産してみてわかること。今週のYEOはぜひぜひ男性にも読んで欲しい、妊娠&出産リポート。金曜日まで続きます!

  • 出演:吉沢梨絵(よしざわ りえ)

    1976年9月25日生まれ。東京都出身。1981年『劇団ひまわり』に入団し、子役としてTVドラマや映画に出演。1997年エイベックス(VOCALAND)から歌手デビュー。2002年劇団四季に入団。『マンマミーア』『赤毛のアン』『ふたりのロッテ』などで主演をつとめ、数多くのミュージカル作品に出演。2009年に退団し、イギリスに渡る。2010年帰国。2011年から芸能活動を再開。2016年1月から休業し、11月上旬第一子となる女児を出産した。
    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/yoshizawarie/

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/