〈美人〉と〈キレイ〉は微妙に違う。無意識のうちに、使い分けている。
〈美人〉は造作。生まれつき魅力的な顔立ちを持った女性を、美人と呼ぶ。
〈キレイ〉は美意識。持って生まれた肌をきちんと手入れし、日頃の努力や経験から得た美しさを兼ね備えた女性を、キレイだね、と人は言う。と、思う。
 だから美人でもキレイじゃない人はいるし、キレイを極めても美人になるとは限らない。
そして日本では近年、キレイな女性が増殖中。この人、美容家・山本未奈子のおかげ、かもしれない。
「女性にはキレイになる権利があると思うし、努力すればするほどキレイになれます。」
 もともとは、美容オタク。

「大学を卒業した頃から、趣味は美容でした。デパートの化粧品売り場に行ったらあれもこれも見て試して、1日中でもいられる。最新の情報が欲しくて、美容雑誌はすべて定期購読していました。にも関わらず当時の私は、肌がキレイじゃなかった。乾燥肌で敏感肌、高い化粧水やクリームを頑張ってつけているのに〝どうすればいいの?〟って、頭の中は大混乱していました」

 解決したのは、美容をきっちり学んでから。
 山本さんは中学〜大学卒業までイギリスで学んだ。卒業後は日本に戻り、英語力を生かして総合商社に就職。その後外資系証券会社に転職し、2年後、社命で再びイギリスへ。その後、結婚を機に退社し、夫の仕事の関係でニューヨークへ。「もともと美容好きということもあり、せっかくニューヨークにいるのだから、ここで最先端美容や皮膚科学の勉強をしたら、すごいものが得られるかもしれない、と思い立ったんです」

 そこで山本さんはまず、自分が今後日本に帰国した時にどうなりたいかを考えた。

「理想的なプロフィールを作ってみたんです。美容家と名乗るのなら、こういう資格や経歴があったほうがいい、と先に考えて、それを目標に学校を選び、通いました。もともとが美容オタクですから、勉強を始めるとすごく楽しくて、首席で学校を卒業、資格を取得しました。さらに、人に教える経験はあとできっと役立つだろうと考え、教壇にも立ちました」卒業後はニューヨークでメディカルスパを立ちあげ、肌のコンサルテーションの仕事を始めた。さまざまな経験を積むうちに、美肌の知識が蓄積されていく。

 「学んだことを毎日ブログに書いていたら、ある時それが日本の編集者の目に止まって〝本を書いてみませんか?〟とお誘い頂いたんです」

 間もなく日本に帰国。夢に見た美容家としての日々が始まった。彼女はいかにしてキレイな美容家になったのか、今週のYEOを毎日読むうちに女性はもちろん、男性のあなたにもキレイの正体が見えてくるはず。

  • 出演:山本未奈子(やまもと みなこ)

    1975年生まれ。『MNC New York株式会社』代表取締役。ニューヨーク州認定ビューティセラピスト。英国ITEC認定国際ビューティスペシャリスト。ロンドン大学卒業後、非常勤講師としてNYの美容学校で教鞭をとる。2009年スキンケアブランド『シンプリス』を発表。美容をテーマに講演や執筆活動、テレビ、雑誌の美容記事の監修など多方面で活躍中。著書に『美人になる食べ方』(2011/幻冬舎)『髪が10年若返る 頭皮ケアで始める美髪バイブル』(2012/講談社)『本当に知りたかった 美肌の教科書』(2013/講談社)『35歳からの「もう太らない自分」の作り方』(2016/講談社)などがある。

    MNC New York(エムエヌシーニューヨーク)公式ホームページ http://www.mncny.co.jp/

    ヘアメイク:堀 紘輔 (プラス ナイン)

      http://www.plusnine.jp/kousuke_hori/gallery.html

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/