「ぼくは20歳だった。それが人の一生で一番美しい年齢だなんて、誰にも言わせない」

 ポール・ニザンが『アデン・アラビア』という処女作の冒頭に書いたこの言葉を、彼女をインタビューしている間、ずっと思い出していた。

 金城茉奈さんは今月、20歳になる。もちろん時代背景も社会状況もなにもかも、この作品と彼女には何の共通項もない。こんなにきれいでスタイルが良くてモデルで女優で、はたから見ると〝どこがツライんだよ!〟ってつっこみたくなるような素敵な女の子だ。だけど茉奈さん自身は昨年から今年にかけて、激動の季節を生きている。

「去年はずっとオーディションに受からなかったんです。マラソンも完走できなかったからすごい落ち込んで、ズタボロでした。もう沖縄に帰ったほうがいいのかなって、葛藤の日々でした。でもあと1年は頑張ってみよう、賭けてみようと思ってます。私、2016年に賭けてます!」

 というわけで今週のヒロインは、20歳のバースデー直前の金城茉奈さん。明日から追いかけるのは、沖縄出身の美形モデルの、人生と格闘する姿だ!

  • 出演金城茉奈:(きんじょう まな)

    1996年2月24日、沖縄県生まれ。地元でスカウトされ、沖縄でモデル活動の後上京。TOKYO Girls Collectionはじめさまざまなファッションショーに出演。今年1月、2代目マイナビウエディングガールに選出された。TOKYO GIRLS RUNの専属モデルとして、トレーニングに打ち込んでいる。
    Grick所属 オフィシャルサイト http://grick.jp

    オフィシャルブログ http://ameblo.jp/mana-kinjho/

    『ラスボスのお城の前で』
    2月25日(木)~2月29日(月) 王子小劇場  http://analogswitch.jimdo.com
    脚本・演出 佐藤慎哉 アナログスイッチ【佐藤佐吉ユース演劇祭選出!】

  • 取材/文:岡本麻佑

    国立千葉大学哲学科卒。在学中からモデルとして活動した後、フリーライターに転身。以来30年、女性誌、一般誌、新聞などで執筆。俳優、タレント、アイドル、ミュージシャン、アーティスト、文化人から政治家まで、幅広いジャンルの人物インタビューを書いてきた。主な寄稿先は『éclat』『marisol』『LEE』『SPUR』『MORE』『大人の休日倶楽部』など。新書、単行本なども執筆。

  • 撮影:萩庭桂太

    1966年東京生まれ。東京写真専門学校卒業後、フリーランス・カメラマンとして活動開始。
    雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。
    ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。
    「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。
    雑誌は週刊文春など週刊誌のグラビア撮影を始め、幅広い世代の女性ファッション誌の表紙を撮影中。
    http://keitahaginiwa.com/